人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2015年 06月 25日

ミニ料理考ー屋根(23)

腎臓を患ってから、自分で料理を作る事が多くなった。
とはいえ、ほんの初歩的なレシピ片手の小調理である。
ニラやニンニク、調味料の使い方を少し学ぶと味の領域が
だいぶ豊かになる。
モヤシやらチンゲン菜やら、キノコ類との組み合わせに
調合した調味料の味付け。
山芋やジャガイモ、葉モノも切りかたひとつで触感が変る。
卵も今まで目玉焼きか卵焼きしか知らなかったが、これも
焼き方で触感が変る。
片栗粉を混ぜふわふわ触感のとろとろ卵の上に、炒めたニラ
とエノキを乗せ調味した片栗粉のあんをかける。
カロリーと塩分とを考えレシピと首っ引きで工夫する。
時に素材の無い時はある素材で代用する。
豆腐ステーキの場合、豆腐が無かったので山芋ステーキに
変えて作った。
食材も大事だが、一番大切なのは段取りである。
これが後手に回ると全てが狂ってくる。
食材の順番でも間違うと炒め過ぎたり、調味料の分量を間違
えたりと、タイミングがずれて哀れな味と姿にもなる。
これまでは出来上がった物だけを食して、美味い、不味いと
言っていたが、自分である程度するとそんな不味いものも、
失敗の原因が見えて勉強になるから、不味いの意味が違って
くるのだ。
そして、ほったらかしてあった食器類にも目がいく様になった。
作った料理を何に盛るかも重要な役割を保っている。
大好きな紅茶もカップの種類・形態によって味が違う事に気付く。
口の開いた方が口中一杯に香りと紅茶の味が広がる。
少し口の狭い少々高さのあるカップは、喉の方に直接熱い紅茶が
注がれ、朝のフランスパンと一緒の食事には合う。
ただゆったり紅茶だけを味わうなら口の広いカップが良いようだ。
私の場合は朝食にパンと一緒に飲むので、後者が良い。
大体よく見ると珈琲カップは後者で紅茶カップは前者である。
病の所為で水分に敏感なので朝は喉が渇いている。
だから喉に直接くる熱い紅茶が無上の快感となる。
口中でゆったり味わう余裕はない。
固いフランスパンが紅茶で柔らかくなって喉元を過ぎる。
パンに挟んだ調理したものも同時に噛み締め、飲み込む。
朝も束の間の悦楽である。
今の病はカロリーを多く取り、かつ取り過ぎないという療法なので、
調理の工夫でむらなく何でも食べなければならない。
そして塩分・水分とウエイトに気をつけ、ボクサーのように
筋肉は育てなければならない。
慣れぬ料理に手をつけたのもそれらの経緯からだ。
まだまだ未熟だが、やり出せば奥深い調理の世界である。
理屈は抜きにして、美味いものを作るに越したことはない。
そして食材と調味料を通して、食の自然を学ぶのだから。

*瀬川葉子展ー7月20日ー31日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-06-25 12:39 | Comments(0)


<< 背広考ー屋根(24)      下北沢でー屋根(22) >>