初めて電話で話し、熱くなって故ロジャー・アックリング
の事を話した。
それがインタビュー記事となり早くも今日メールで送られ
て来る。
優秀だなあ、過不足なくあの1時間に満たない話の内容が
纏められている。
ロジャーが降臨して笑顔を見せてくれているようだ。
資料を取りだすと展示に関する直筆の二通の手紙もあつた。
その他に滅多に製作中は人を寄せないと聞くロジャーがレンズ
を手に流木に太陽光を当てているポジもあった。
滞在製作中ドキュメント制作の写真担当の中川潤氏の撮影の
ものだ。
彼はロジャーを現地に案内する時からずっと一緒で、この石狩
を一番良く知る人間である。
そうした彼の人間性にロジャーはきっと心許していたに違いない。
それでなければ製作中の姿を撮る事など有得ないからだ。
ドキュメント本所収の望来滞在中の他の写真もすべて彼の撮影し
たものである。
ご夫婦ふたりが海岸を歩いている写真もそうだ。
表紙の海岸を崖上から俯瞰した写真も見事である。
こうした色んな人たちへの友情・信頼が展示前後の手紙の隅々に
溢れているのが、今読み返すと感じるのだ。
時間や国家を超えて今広がるこの思いは何なんだろう。
僅か小一時間にも満たない電話の応答で、今こうして文章化され
ロジャー・アックリングが甦る。
まるで、肩を叩き、おい、頑張れとでも言いそうな近さで
居るのだ。
この世とあの世、遠い国の違いに、ロジャー夫妻滞在2002年
4月という13年の時間差。
これらの間を越えて、今正に同じ4月の出来事がこの間という
世界を、身近な界(さかい)というこの世にしている。
そんな不思議な気がする。
もう一度あの作品に会いたいなあ・・。
*及川恒平・山田航「二本のポプラをめぐる二つのうた」
5月16日(土)午後5時~予約2500円。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503