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テンポラリー通信

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2015年 03月 26日

気付くものー歩行(22)

フォークソングの草分けの人及川恒平さんが来る。
5月に山田航さんとのduoを予定しその日程の打ち合わせの為だ。
程無く山田さんも見え打ち合わせが始まる。
山田さんより提案があり、どこか一緒に歩きましょう、そこの風景
から歌と唄を創りそれをテーマとしたい。
山田さんはD新聞に連載中の札幌を主とするモノローグ紀行で
尋ねた色んな場所が頭にあるようだ。
すると及川さんがふっと呟くように言った。
”ぼく本籍は江別なんだ、そこで生まれたけど記憶は無いよ”
及川さんの澄んだ歌声は確かに北のものだ。
九州生まれの陽水と比べると良く分かる。
山田さんは江別を何度か取材し歌を書いている。
生まれたのは江別の飛鳥山の辺りらしいんだ、と及川さんが言う。
今年から自身の音楽活動の拠点を北海道に移す積りという。
その再出発のスタートに山田さんとのコラボを選んだのだ。
ここでは三回目となるDUOだが、今回はより深い意味を保つだろう。

そこへ吉増剛造さんからの手紙が届く。
開けると和紙の便箋が3葉あり、2葉は故富樫雅彦氏への思いの
深さが記されていた。
GOZOCINE「怪物君」でいつも背後に流れている奏者の名
である。

 「怪物君」は、故富樫雅彦氏と高橋悠治氏の演奏に聞き耳を
 たてるようにして生きて来ているのを、驚きとともに発見して
 いました。・・・今日で606葉、・・・これがどうやら「怪物君」
 の魂のいちぶぶんらしいのです。

次回吉増展YAMADA(歌)余位(フイルム)仁美(花)という
吉増さんからの提案に、ドラム奏者A氏をと私が提案した事への
気持ちの返事と思う。
私はこの3人のゲスト参加の場面でA氏の音を考えていた。
でも主役は吉増さんの草稿と映像である。
そして今は亡き演奏者に対する深い想いが再発見されている事に
こちらも深い感銘を覚えた。
他の音は考えられないのだ。

そして同封されていたもう1葉は次回展示タイトルの筆の黒文字。
これが凄かった。
横にすっと伸びた筆先がドラムのステックのようだ。
富樫さんの音が乗り移ったその形象のようだ。
もう何も言う事は無い。
ただ黙って山田さんと及川さんに見せた。
すると及川さんが言う。
知ってるよ、足を刺された後富樫さんは足でドラムを打てなくな
り、しかしその後の演奏が凄かったんだ・・。
現場で富樫さんの演奏を見て聴いている人がいた。
不思議だなあ、そういう人がいる時にこんな手紙が届くなんて・・。
喪った人の再発見、記憶に無い生まれた場所の再発見、と及川、
吉増さんの心の旅はこれからも続くだろう。

夜遅れて来た中嶋幸治さんが吉増さんの文字に興奮していた。
前回吉増展の「水機ヲル日、・・・」をデザインした彼は大いに
次回への構想が沸いてきたようだ。

高向彩子展初日ー不思議な魂出会いの初日でした。

*高向彩子書画展ー3月24日(火)-4月5日(日)am11時ー
 pm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503 

by kakiten | 2015-03-26 12:17 | Comments(0)


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