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テンポラリー通信

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2015年 03月 13日

濃い一日ー歩行(12)

昼N君が次回展示の高向彩子さんのDMを持参。
彼の優れたデザインで作家のコンセプトが活きている。
書画展という一般的なタイトルが迷いの末選ばれたの
だが、その本意は水の境を表す汽水がテーマである。
その作家の意思が見事にヴィジュアルに表現されている。
書画展という平凡なタイトル文字を作家の真意を汲み
取り文字の凡庸さを抜いているのだ。
N君の表現力に改めて感心した。
それから種々の彼の現状や近い将来の事を話し込んだ。
N君が帰ってすぐドラム奏者の公務員A氏が久しぶりに
来る。
少しこの間仕事に追われ閉塞的だったという。
ここにはエネルギー溜まってないと来れないからなあと
言う。
来ない間見れなかった展示の話となり、吉増剛造さんの
GOZOCINE「水機ヲル日」を見せる。
見終えてすごく感動したと言葉少なく語る。
音の人である。
吉増さんの絵筆の叩きつける映像と詩の朗唱のような語り
に心動かされたと思う。
そこへ山田航さんが来る。
A氏とは旧知の中でふたりも久しぶりだが、昨夜の山田さん
の時計台でのイサム・ノグチ講演をA氏は聞いていたので、
その印象を熱く伝えだす。
イサムノグチの父野口米次郎(ヨネ・ノグチ)と啄木の
関係性をアメリカをテーマに思想としての都論として近代に
位置づけ講演したものという。
そこへこれも久しぶりの写真家のA君が来た。
A君は近々ふたつの会場を使い展示をするという。
これまでの生き方写真との関わり方を見直し、新たな回路を
造るため、その方途を探るのが目的という。
その方向性に自信を感じたら、その時あらためてテンポラリー
で個展をやりたいと言った。
良い写真は数あるけれど、見て泣きたくなるのはA君の写真だ
けだ、と山田さんが急にポツリと言う。
一瞬ぞくっとする電波がみんなの間に走る。
その気持ちに触発されたのか、A君がノートパソコンを開き
展示予定の作品を画面に出し説明しだす。
その話の中に先程A氏に見せた吉増さんの語りと幾つも繋がる
世界との関わる心の意思がある。
そう思えたのでA氏と山田さんが帰った後残っていたA君に
GOZOCINEを再度見せた。
見終えてある感動と感慨に耽るA君がいた。
シジフォスの束の間の自由と写真を離れて辛い労働した後の
朝の光の開放感。
そんなこの間の経験が幾重にも映像・語りと合致して思いが
揺れているのだ。
写真を止めて写真を撮る意味を深い所で考えている。
大きな転機の時である。
そこへ木彫りの熊クラブの会長K氏が来る。
札幌緑の運河エルムゾーンを守る会の賛同者でもあるK氏
は先日営まれた故河野本道さんの追悼会に出ている。
その結果を伝えに来てくれたのだ。
それを機にA君が帰り、K氏とエルムゾーンの会の今後と
河野さんのこれまでの活動等を見直しを話し合う。

昼からびっちりとそれぞれの生き方の根幹に関わるような
濃く深い話が続いた。
そして出会ったそれぞれが何らかの関わりを保ち影響を保
っていた。
そんな中で一つ提案した事がある。
今年の年末の吉増剛造展にA氏のドラム演奏を入れたい
という事だ。
ムラギシの遺作曲も含めて演奏してもらいたい。
吉増さんの絵筆の打刻ダンスを見て感じた閃きである。
打刻の人同士が映像で声とドラムで結びついたのだ。
フライヤーのデザインは今年もまたN君だなあ。
A氏ームラギシーN君は深い縁で今も繋がっている。
ともに若くして死んだムラギシには逢ったことが無いにも
関わらず彼の遺作を通し繋がっている。
そしてそこに吉増さんが加わり加速する。
正にこれこそがムラギシの遺作曲「撓む指は羽根」ではないか。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-03-13 15:28 | Comments(0)


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