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テンポラリー通信

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2015年 03月 06日

エルムゾーンの戦友ー歩行(7)

「札幌緑の運河エルムゾーンを守る会」の運動の中で知り合い
後に会代表の宇田川氏の病気入院で代表代行になって新たな
展開を支えてくれた人類学者の河野本道氏が先日亡くなった。
河野常吉・広道と三代続く民俗学人類学の学者の家系である。
河野さんは戦闘的な論客で、決して象牙の塔に閉じ篭る学者
ではなかった。
論と実践の人で物事の裏の裏まで読み通す現実タイプの学者
だった。
その結果時に敵を作り周囲から孤立する経過もあったと思う。
緑の運河エルムゾーンを守る運動の中でも、現実的な方策を
政治家や議会への働きかけを通して具体的に進め、私や宇田
川氏のどちらかといえば理念的な初期活動にも批判的で、会
の名称も変更しより実践的で総合的な札幌原風景研究市民
センターという名称に変えて活動を提唱した。
植物園に通りひとつで隣接する伊藤邸高層マンシヨン化反
対運動の理念である春楡(エルム)ゾーンの名を消す事に
違和感があり私はある時期激しく河野氏と意見対立をした。
理念という旗印と現実的な運動は時として乖離が生じる。
しかし頭上にかざす旗印があっての実践である。
実践上の現実性と理念上の幻想性はともに手を携えてこそ
大きな力を発揮する。
そう思い会の名前の現段階での変更には違和感があった。
河野さんは伊藤邸の事だけではなく、さらに広い見地で
札幌の原風景の保存を見渡していたようで、一建物だけ
の反対運動に終わらせない運動を考えていたのだろう。
そこが札幌原風景研究市民センターという命名に現れている。
最終的には同じ方向を見ていながらも、展開の回路が内包
する順序がずれていた。
今となればもう少しその辺を徹底的に議論すべきだった
という思いは消えない。
原風景という本質的に広がる理念ではなく、一建築物への
場に与える影響を徹底的に掘り下げ闘ってその先に原風景
という本質が見通せるのではないか。
現実行為と理念の在り方が少しづつ裏返ってふたりの間に
あったような気がする。
勿論そうした民俗学人類学の大先達である河野氏には私の
考え方は甘く感じられたのかも知れない。

直向で激しく熱い稀なる行動型の学者であった。
短い期間ともにある時期行動を共に出来た事を今は哀しく
懐かしい気持ちで思い出す。
河野本道さん・・・合掌。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1ー8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-03-06 14:21 | Comments(0)


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