短い旅、長い旅。
それぞれに旅立つ人がいる。
昨年春大学を卒業した瀬戸君が1カ月ぶりに来る。
アメリカへ演奏旅行で旅立つはずだったが、メンバーの
ひとりが体調を崩し延期になっている。
在学中も年に一度はアメリカ、インドなどを訪れていた。
卒業後も海外でジャズヴォーカルとギター演奏を続けて
生きたいようだ。
後から大学を中退し美容師の道を選んだ大塚君が来ると言う。
まもなく来た大塚君は10日後東京へ就職するという。
見習いも兼ね現場で修行という事だ。
10年は札幌に帰らないと言った。
実家が美容院なので10年後には家を継ぐのだろう。
最初の給料で第一作品集を出すのだ、と言って初稿のコピー
を置いていった。
「航海する雪」と題された詩集である。
彼は詩人で今までも多くの詩を発表している。
故郷を発つ前に一冊に纏めたかったのだろう。
人は雪を雪として認識できる
意識の外側には確かに
溢れるほどの木漏れ日があるというのに
山田航さんは京都へ、竹本秀樹、藤倉翼さんは展示でニューヨ
ークへ、とみんななにか大きな転機のように旅へと出ている。
そういう時期なのだろうか。
人の動きに春の蠢動がある。
短い旅も長い旅も折り重なって春が近づく。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503