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テンポラリー通信

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2015年 02月 19日

路面が出てー道行き(28)

小春日和が続いて路面のアスファルトが現れる。
東京と同じ気温だそうだが、あちらは霙混じりの冷たい雨という。
同じ気温でもこちらは春の希望を感じ、あちらでは冬を嘆く。
沖縄へ行った時も冬と夏の感受性の相違を感じた事がある。
11月冬の気配に敏感な沖縄の人は、この時期が一番良いよ、と
教えてくれた。
北海道なら5月かな。
夏の季節の到来を感じさせる暖かさの始まる時。
夏をベースに一年がある沖縄では冬の気配に敏感なのだ。
19度位でもう冬の気温として新鮮な感じで受け止めている。
人は環境の動物である。
同じ気温でもこちらでは夏の気温である。
きっと気温だけではなく、様々な環境の変化に人は合わせて
生きている。
すると苦難もまた困難や絶望ではなく、別の希望の契機とも
見えてくる。
病と闘いながら、内臓という命を司るミコトの存在を意識し
体内言語の声を聞くようになったのもそうなのかも知れない。
冬の臓器と呼ばれる身体宇宙に思いを寄せる。
冬の臓器は夏の臓器と思われる心臓と表裏一体の関係で心腎
一如ともいい、腎臓の悪化は心臓にも即影響するという。
冬と夏は一対の身体の南極・北極のような関係かも知れない。
そこで色んな対が現れる。
水分を抑える為には塩分を控えねばならない。
この関係は男女のようなものだ、と院長先生が言った。
ともに惹きあうからだ。
この院長先生はなかなかユニークな方で手術の時も竹内マリア
の歌をがんがん鳴らしながらオペをする。
この曲を聴くと調子が良いんだと言う。
患者の巡回の時も、”オッス!”と声をかけてひとりづつ容態
を聞いて回る。
小柄だがエネルギーに満ち溢れた腕の良い医者である。
こんなお医者さんは白い巨塔系の大病院ではお目にかかれない
だろう。
同じ札幌でも下町のタウンの面影が残る東屯田通りに近い地域
と中央のメイン通りでは生きる医者のタイプも違う。
交通媒体も路面電車と地下鉄の差異があって、ここでも人の在
り方が違うのだ。
環境が人を変え、人が環境を変える。
どちらが主というより、人はともに環境によって育つのだ。

沖縄の一番良い季節が冬の気配を感じる時ならば、北の一番良い
季節は夏の気配を感じるこれからの季節である。
冬の年・夏の年。
美しいと思う年の始まりのひとつがまもなく始まる。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-02-19 12:52 | Comments(1)
Commented at 2015-02-20 21:59 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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