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テンポラリー通信

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2015年 01月 11日

最終日ー道行き(7)

吉増展最終日の朝を迎える。
映像を流しながら、2階でパソコンに向かう。
吉増さんの声だけが吹き抜けを通して響く。
オープン前の12月に送られて来たDVDだ。
声の調子が最終便の声とは違う。
最終便の今回展示に関わった人たちに呼びかける
声とは明らかに違う。
これは吉本的にいえば、自己表出であり対幻想の
ような声音だ。
「怪物君」の草稿に関わって570葉を数える行為
を重ねてその創造行為は一層純粋個に深まっている
気がする。
そして吉本のいう<対幻想>のようにある他者への
思いが迸る。
画像の色彩と描線と声・音が一体となって純粋個の
表出ともなっている。
原稿用紙が印刷の媒体という指示性を消して、キャン
バスのようにもなり、その中に文字と色彩が重ねられ
声と音と音楽が絵筆に添って交響する。
そのすべてが立ち上がる瞬間を我々は経験する事となる。
この純粋自己表出を映像と音声を通して我々は知らずに
画面を透して吉増と対の共有を結んでもいるような気が
する。
展示されているすでに色の褪めた紙葉のその生々しい
DVDに印された誕生の刻と一体となって吉増自身の
その日のその時を表白しているのだ。
通常の詩人とか画家とかの枠を超えて、ここには純粋個
足らんとしている素の吉増剛造がいる。

*吉増剛造展「水機ヲル日、・・・」-1月11日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
+高臣大介ガラス展「とめどなく」-1月20日(火)-25日(日)
 am12時ーpm8時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel.fax011ー737-5503

by kakiten | 2015-01-11 14:07 | Comments(0)


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