テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2014年 12月 19日

制作ヴィデオー透析・師走(15)

吉増さんの手描きの草稿制作ヴィデオを会場で流している。
ゆっくりと粘りつくような口調で絵筆を走らせながら、映像
は続く。
制作のヴィデオ日記でもある。。
毎日の記録であり、すでに4,5本が送られてきている。
その一日一日の制作記録の終わりに”ありがとうどざいました”
というナレーションが入る。
紙表を這うようなミクロのレンズで舐める様に左手で撮影する。
右手には絵筆が紙面を這いずり、同時にその時感じている事を
詩の朗読のように声で語る。
塗られたばかりの絵の具の光、叩かれる筆の音。
一瞬一瞬が生々しい制作の現場の音であり色である。
僅か60cm×45cm程の和紙の原稿用紙に文字とその上に
絵の具で描かれる小宇宙の世界。
その過程をミクロのレンズで這うように映像が撮られる。
それに声が糊が張り付くように流れるのである。
これまでGOZOCINEで培われた映像技術と詩の朗読で
積み重ねた声の抑揚とが画面全体にリズムを生んでいる。
見ていて目が逸らせなくなってくる不思議な魔力があるのだ。
描線の美しさ、狂おしさも魅力だが、この声の魔力も大きい。
男の巫女のような、幼子の独り言のようなこのモノローーグは、
詩人吉増剛造の魂の声でもあるのだろう。
声と指の延長のような筆先と滴り落ちる絵の具。
それは声の血脈、指先から迸る見えざる血行の延長のように画
面を容系するのだ。
詩人の心の内臓を辿る内臓絵画言語の映像作品。
そんな稀有のヴィデオである。

*吉増剛造展「水機ヲル日、・・・」-12月9日(火)-1月11日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休:正月3ヵ日休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2014-12-19 13:44 | Comments(0)


<< 体内・体外宇宙ー透析・師走(16)      水との闘いー透析・師走(14) >>