テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2014年 12月 03日

内なる命ー透析・師走(2)

腎臓を患って感じる事がある。
内なるもうひとつの命の事だ。
健康時意識しなかった身体の内側に在る臓器の存在。
身体の内側で宇宙の星のように光り続けているもの。
心臓が太陽なら腎臓は水の惑星なのだろう。
その内なる宇宙に気付かず外の世界にのみ目を奪われ突っ走
った結果が今内なる宇宙への目線を生んでいるのだ。
外へ向かう命からもうひとつ内側に在る沈黙の命。
生かされているのだなあ、と思う。
この時内側の沈黙の命は<いのち>ではなく、<ミコト>の
ように感じる。
心臓の命・ミコト、腎臓の命・ミコト、肝臓のミコト・命・・。
多くの臓器のミコトによって我々は生命を維持している。
身体の内側にも宇宙があってその自然は時に荒々しい津波と
なり熱波ともなる。
ミコトはその脅威に治水や護岸、消火や防風の任務を果して
いるのだ。
命がミコトである所以である。

吉増剛造さんの最近の草稿の映像が送られて来た。
560葉を超える十数葉である。
もうそれは文字の原稿用紙ではない。
自在に描かれ色彩がドロッピングし絵筆が流れる。
色が滲み筆が運ばれ声が歌うように呟く。
これも心の宇宙だなあ。
究極の内なる目線のもうひとりの命の形象。
声も筆を持つ指も流れる色彩も文字もこれらすべてが命の
ミコト業(ワザ)と思える。
水鬼の命(ミコト)吉増剛造は草稿の臓器となって心音を
打ち出している。

+吉増剛造展「水機ヲル日、・・・」ー12月9日(火)-1月11日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
[PR]

by kakiten | 2014-12-03 13:40 | Comments(0)


<< 嵐の前ー透析・師走(3)      熊去ってー透析・師走(1) >>