朝から熊フアンで賑わっている。
自宅の奥に忘れられていた熊の木彫りを抱えて
持参してくる人も多い。
日頃私蔵され忘れられていた木彫りの熊を表に
出す事で自分の生きた時代を語りたいのだ。
床の間や下駄箱そして押入れといったかっての
アナログな生活空間とともにあった木彫りの熊
なのである。
従って来客者の滞留時間は総じて長くなる。
その間に新たな客が来るから切れ目がない。
ひとつの地域の一つの時代を象徴する物として
熊に代わるものがはたしてあるのだろうか。
さらに床の間や押入れのようなアナログな空間
が消滅した現在熊に取って代わるような時代の
記憶を語る物が今あるのだろうか。
若い世代にも前の時代の記憶の象徴として、かつ
可愛いをキーワードにして熊を愛でている。
そんな老若男女の流れが絶えないのだ。
この現象が南の沖縄で起きるとは思えない。
この現象はこの熊の生息する北の大地だからこそ
生まれるのだろう。
国際化とか現代アートとか言われるものは、こうし
たその地固有の際を保った作品を見失ってはいない
のか。
時代もまたそうである。
その時代固有のなにかを固有性として記憶の底に
磁場のように生じさせ得る事。
そうした縦軸の行為を大切にしなければならない。
移り変わるものの多い現在。
木彫りの熊が発するメッセ-ジは奥が深いものがある。
*山里稔と木彫りの熊展ー11月30日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
*吉増剛造展「水機ヲル日・・・。12月9日ー1月11日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503