午後2時からの古館賢治&本間洋佑のライブ演奏会。
演奏者ふたりは2階回廊に陣取る。
ギターの古館さんは西窓際隅に、木製ベースの本間さん
はその向かいの吹き抜けをはさんで東側の回廊に立つ。
聞き手はほとんどが1階南側に座る。
中嶋さんの展示はそのままにして、音だけが頭上から
響いて落ちてくるのだ。
古舘さんの伸びやかで柔らかな歌声が舞い、本間さんの
重厚なベースの音が2階回廊の床を伝わって廊内全体を
震わせる。
音の波長に身体全体が包まれ、耳だけではなく五感全部に
波長が波及するような不思議な至福の時だった。
昼の午後、風の強い日に、光と風と壁の蔦の葉影が深く
声が舞いベースが響き空間全体を音が包む。
通常の目の前に演奏者がいる状態ではなく、音だけが皮膚
に直に触れてくる。
きっと宮沢賢治の「セロ弾きゴーシュ」に登場する聞き手の
動物達のように、セロの中で体全体で聞き狂うような空間と
なっていたのだろう。
楽手鳴り止まず演奏者も嬉しそうな素晴らしいライブだった。
終了後真っ先に握手を求めてくれた本間さんの笑顔が嬉しか
ったなあ。
*中嶋幸治展「風とは」9月23日(火)-10月5日(日)
am11時ーpm7時:月曜定休。
*メタ佐藤写真展「光景」-10月7日ー19日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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