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2014年 09月 26日

<移>と<動>ー境界・長月(17)

<移>ばかりが頭でっかちになって、ショートカットの回路が
主流となっている。
「移動」の<動>と<移>の相違が気になって調べてみた。
「移」の禾偏は稲麦類の草を表し、これが多く並んでいる
のが<移>であるという。風に当てられて一処が倒れると、次
から次へと移り倒れてゆく。
一方「動」は、重のかさなる、おもいの意味からこれに力を
加えて動かすという意とある。
このふたつの言葉の相違は主体性と非主体性の相違ともいえる
と思う。
従って<移動>とは自らの力を加えて移ることであり、<移る>
だけの行為ではないという事だ。
風に相当するような外界の力に拠って次から次へと移りゆくの
は、風をエレヴェーターにエスカレーターに地下鉄にネットに
物流に街の街路に新幹線にリニアモーターカーに車道にと、あ
らゆる社会現象に置き換えればある程度本質となるものである。
<移動・移住・移民>とは、<移>が本来は移るという結果の
副次的な現象であって、意志的な行為のサブとして現象化する
ものだという事だ。
副次的な結果現象を優先し、本質である意思的なものを軽んじ
ているのが現代の病ではないのだろうか。
インフラとしてのこれらの<移>の装置を全部否定する気は
毛頭ないが、疾風のように早足で流れる歩行者の列を見ている
と、どうしても<移動>の<移る>行為ばかりが優先している
ように感じるのである。

<風とは>という今回の中嶋幸治展のテーマそのものが、こうした
現代の本質を問うていると私は思っている。

*中嶋幸治展「風とは」-9月23日(火)-10月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。27日(土)午後2時ー3時
 古館賢治&本間洋佑ライブ・無料。
*メタ佐藤写真展「光景」-10月7日ー19日
*秋元さなえ展「橋を渡って」-10月28日ー11月8日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2014-09-26 13:12 | Comments(0)


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