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テンポラリー通信

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2014年 09月 16日

水機(ハタ)ヲル日ー境界・長月(9)

吉増デーモン閣下のこの次回個展タイトルが朝呪文のように
木魂して目覚める時がある。
凄いタイトルである。
今回作者が指名した大草稿のふたりの選者は姉妹で、仁美さん
と文さんだが、こちらも<ヲル>姫として存在感がある。
まあこれは私の勝手な妄想だが、仁美は読み方によっては<ニ
・ミ>でアイヌ語的にはniー木・樹に、miー着る。
文はhuーなまデアル(ニナル)あるいはhum,iで音、
断片と読める。
水を機織る人に木を着る姫に生で音を纏った姫のイメージが
何か凄いのだ。
3年前から「石狩河口座ル/ふたたび」で始まった吉増剛造の
作品製作はすでに原稿用紙500余葉を超えて描き続けられて
いる。
もうその原稿は文字というよりも、曼荼羅のような不可思議な
色彩と図柄に満ちて、特に最新の8葉は洪水か干潟のように
原稿用紙そのものが水の表面のように波打っているのだ。
<水機織る>という水・o・ruーそこの・跡・道である。
3.11以降書き続けられている詩人のライフワークが、この
アイヌ語の秘められた響きと重なって、朦朧とした朝の私の頭
の中を激しく駆け回っている。
妄想といえば妄想なのだが、なにか深い心の底で津波のように
押し寄せてくるものがあるのだ。
流水の科学者岡崎文吉の川の蛇行を基本とする護岸工法もまた
水を機織る仕事だったのではないのか。
そんな事とも重なって、この<水機ヲル・・・>という言葉が深い
処でふたりの織姫とも連なって過剰に反応しているのだ。

「ノート君」「怪物君」と呼んだ数千行の大作は、「水機ヲル日・・
」としてある完結を迎えようとしている。
そんな只ならぬ予兆に縁取られて年末の展示への道行きがある。


 中川さん、工藤さん、母、大野さんの俤もこめております。

吉増さんの書面最後の結びにあった文面にその決意のようなもの
が見て取れる。

*中嶋幸治展「風とは」-9月23日(火)-10月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。9月27日(土)午後14時~
 古館賢治&本間洋佑ライブ無料。
*メタ佐藤写真展「光景」-10月7日ー19日
*秋元さなえ展ー10月28日ー11月9日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-09-16 12:54 | Comments(0)


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