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2014年 09月 12日

局地的豪雨ー境界・長月(7)

先日深夜南区の方では集中豪雨で特別避難命令が出たらしい。
大事には至らなかったようだが、夜中に避難所へ移動した人も
いたという。
処、時を問わず深夜局地的に豪雨が襲う。
遠い本州の事と思っていたこんな天災が直ぐ身近な場所で発生
する不気味な時代である。
直ぐには消えない新しい雲の存在や場所を問わない局地的なゲリ
ラ豪雨といった地球温暖化の天地の相互作用による異常気象は
もう異常でもなんでもなく日常化しつつあるのだろうか。
人間と自然との境目が急速に先鋭化して原始時代の荒々しさを甦
らしているのかも知れない。
自然と直接向き合う事を避けて緩衝地帯を営々と創ってきた人類
の知恵そのものが、今本当に問われているのだ。
岡崎文吉の川の蛇行を本質とする自然工法の護岸思想。
それを主題とする会のあった日の夜にこの集中豪雨があったのも
不思議な因縁である。

今日吉増剛造さんから<水機(ミズハタ)オル日・・>の朱書き
の文字とお手紙・写真が送られて来る。
写真には最近の草稿8葉がまるで豪雨の後の逆巻く川面のように
文字と色彩が衣魚のように溢れて映っている。
これもまるで集中豪雨だなあ。
じっと見詰めていると様々な想念が浮かぶ。
今度の展示は岡崎式護岸方法で考えよう。
ふっとそんな思いがした。
水を織るー水を機のように織るー護岸する。
そして織姫ー村上姉妹ー手折ルーru・ルー回路。
この回路(ル)こそが自然と接する最も人間的なランドへの創造
の回路でもある筈だ。
山の斜面の石段という護岸、川の岸辺の単礁ブロックという護岸。
土石流や氾濫という脅威・自然に触れる境界の人の立つ位相である。
今回村上姉妹というふたりの女性を膨大な大草稿の選者に選んだ
吉増剛造の選択には、この触れる手の持ち主を女性性として、織
姫として選択した所為と感じている。
名作「石狩シーツ」の最終節の<女坑夫さん>と絹の織姫という
吉増さんの詩のひとつのキーワードが<水機オル>には深く潜ん
でいると思える。
3.11以降に書き始められたこの大草稿のひとつのクライマッ
クスが今回の展示には籠められている。

天才という人の魔物もまた集中豪雨を行う。
それを受け止め、織り込む。
それは新たな文化の故里という織物・知のランドだ。
吉増剛造という水の魔物に展示という護岸で立ち向かう事となる。

そんな年末個展の予感がする。

*中嶋幸治展「風とは」-9月23日(火)-10月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*メタ佐藤写真展「光景」-10月7日ー19日
*秋元さなえ展ー10月28日ー11月9日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2014-09-12 14:12 | Comments(0)


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