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2014年 09月 10日

現代詩手帖9月号ー境界・長月(5)

東京在住の写真家吉原洋一氏より現代詩手帖9月号が
送られて来る。
その前日歌人の山田航氏からも同じ号を頂戴していた。
何故かというと小特集で吉増剛造のロンドン展、パリ展
が掲載されているからだ。
そして同時に詩人谷川俊太郎特集で吉原さんが谷川俊太郎
を撮影しているのである。
吉原さんは吉増さんの最初の大草稿展示「ノート君」の時
鈴木余位さんとともに写真で吉増展に参加した方である。
ふたりはこの時初めてここで出会い映像と写真で競演した
のだ。
今回そのふたりが同じ号で鈴木余位さんが吉増ロンドン展
とパリ展について書き、吉原さんは谷川俊太郎肖像写真を
撮っている。
その偶然が吉原さんにはとても嬉しく励まされる事だった
のだ。

 (昨年誕生した長男中心の生活の中)谷川氏撮影の依頼があり、
 その写真が掲載された号に、余位さんがいて、吉増さんがいて
 中森さんがいました。ドン、と背中を押された気がしました。
 これからも歩みを続ける自信となりました。
 とてもうれしいことです。

この号は他に真摯な労作の岡本小百合さんの吉増論も併載されて
いて、余位さんの文章とともに優れた吉増剛造の立ち姿が活写さ
れている。
さらに文月悠光さんも谷川俊太郎主題の鼎談に参加しており、
私個人の関係でいうと古い友人の笠井嗣夫の名も見える。
岡本さんの文中にK出版の村上文さんの名前も見えて、今年末の
吉増展までのキーパーソンが揃っているのだ。
岡本さんの吉増論中「怪物君」を<水鬼(Leviathan)>
と呼ぶ一節があり、これには深く共感するものがあった。
村上文さん経由で伝わった年末の吉増展のタイトルに、「水機
オルヒ(ト)>という情報もあって、織姫と女坑夫さん河口とが
響き合う水の存在を感じていたからだ。
<水機(ミズハタ)オル>とは真に美しい造語である。
正に水の鬼というモンスター、怪物君とは吉増さん自身かも知れ
ない。
難解な吉増詩を英文に翻訳し、映像化する岡本小百合と鈴木余位
ふたりの文章目線の向こうには、言葉を超えて伝わる稀代の天才
詩人吉増剛造の立ち姿が明白に浮かび上がる。
近い将来アメリカで出版されるという岡本訳の吉増剛造詩、そして
1年間の海外留学を経た鈴木氏の来年の帰国後の初個展と、吉原
氏ならずとも、大きな勇気を戴くこれからである。

*中嶋幸治展「風とは」-9月23日(火)-10月5日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




 
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by kakiten | 2014-09-10 16:58 | Comments(0)


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