テンポラリー通信

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2014年 08月 17日

発する声の磁場ーポプラー・葉月(10)

心が声という音の形象をして、声は音声という物の形象を
空中に凝縮して集まってくるような、素晴らしい日だった。
及川恒平×山田渡ライブ「こえのあるいっとき」。
文字が声を纏い、声が文字を纏う。
山田さんの朗読も及川さんの歌声も文字が音声となり
声は時空を超えて今日という時を刻み廊内を満たしたのだ。
聴衆も10人に満たない少数ながら、及川フォークの歌詞
提供者田中綾氏、糸田ともよ氏が目をキラキラして参加し
こぼれんばかりの笑顔を見せていた。
たっぷり2時間休み無く及川・山田の語りと朗唱、歌唱は
続いたのだ。
若い山田さんが長歌や岡崎文吉の漢詩を朗読し、及川さんが
西条八十や吉田一睡の詩作品を歌うといった世代・時代を超え
た声の跳躍が見事な時間を創りだしていたのだ。
山田航の成長、及川恒平の成熟とこのふたりのコラボレーシ
ヨンはコンテンポラリーに深化している。

同日ニューヨーク留学中の鈴木余位氏より21葉の葉書の便り
が届く。

  今日、ニューヨークおわりの日にしてジョナス・メカスさん
  にお会いすることができました。これで私のニューヨークが
  完成したように思いましたが、なんだかこれだけじゃない
  気分になりました。試作として、朱のアメリカ10枚、黒の
  アメリカ10枚を送らせて下さい。受取人になって下さい。
  明日トルコへ発ちます。第二章へ新天地へ行ってまいります。

一枚づつ切手を貼った葉書が約20枚届いた。
急いで書いた所為だろう、住所に未記載があり何通かはまだ未着
である。
吉増剛造展で非凡な映像作品を創ってくれた余位さんの熱い報告
である。
来年の帰国時真っ先に初の個展をここでしたいと言って旅立った
事を思い出している。
そして同時並行するように、吉増剛造さんからも年末年始の恒例
の大草稿「怪物君」展示の打診が届いていた。
草稿枚数は526葉に達し止まらずという。
いくらヨタヨタ貧乏画廊でもこれらの人の熱い想いには応えずには
いられないというものである。
紙の上から文字が声となって立ち上がっている。
葉書・封書・ファックスと、ここでも「こえのあるいっとき」の
時間が燃えている。

*中嶋幸治展ー9月23日ー10月5日。
*秋元さなえ展ー10月28日ー11月9日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

  
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by kakiten | 2014-08-17 14:54 | Comments(0)


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