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テンポラリー通信

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2014年 08月 01日

斉藤周展始まるーポプラー・葉月(1)

静かにこの3日間夕刻以降会場に滞在し制作していた。
その斉藤周さんが展示を終え、斉藤周展が今日始まった。
今回は心に期すものがあるのか、過去3回の個展を
含めて総括をしたいと文章を頼まれた。
谷口展で多忙で未だ文章化していないけれど、今回の
展示を見て何らかの斉藤周論を纏めてみたいと思う。
私の印象では斉藤周という作家は、距離を見る人である。
遠過ぎもせず、近過ぎもしない中間の距離を保つ人だ。
その眼差しの距離が、色彩においても中間色を基本とし
た色構成に顕われている。
前回の個展ではある親しい人の背中を中距離から描いて
いたが、今回は人の姿は消え家と思しき塊りが中心に
描かれている。
何かが凝縮して激しくコア化しようとしている予感が
する画面である。
いつもある距離を保っていた視線の波長が凝視へと変化
しつつある前兆とも思える画面だ。
ずっと今まで保たれていた中間距離のある種の品位、上品
な距離感が、ふっと立ち止まり凝視の姿勢を見せだしている。
この変化は何処から来るのか。
個人的な事情は別にして、多分その起爆剤となっているのは、
ある怒りの感情ではないかと感じている。
現実との関係性をいつも等間隔で中間距離を貫いてきた作家
の目線が、じわっとその距離を縮めてある凝縮を見せ出して
いる。
ずっと現実に対して中間の等距離を貫いて来た、逆にいえば
無傷の上品な世界を囲ってきた作家が、触れる近さでその距離
を詰め出しているのだ。
作家は作品を通して深く現実と向き合う。
それは純粋な現実との接触そのものでもあり、逃げようの無い
作家の宿命でもある。
この斉藤周の凝縮する何かが、やがて色彩となり形態となって
いつの日かスパークする事を友情を持って見守りたいと思う。

*斉藤周展「日々の形状」-8月10日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*及川恒平×山田航ライブ「声」-8月16日(土)午後5時~
 2500円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-08-01 12:45 | Comments(0)


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