多様な人が来てとても濃い時間を提供してくれる。
連日作家は嬉しい悲鳴を上げている。
作品も伏見稲荷参道石段に続き、さらに奥の登山道
脇にあった米軍占領時のスキー場リフト跡の土台壁の
亀裂・凹み跡を新たにトレースした透明なビニール布
を会場に展示した。
参道石段の黄色いプラステイックの石段凹みの前に
占領時の記憶の痕跡が透けている。
このリフト跡の傍の沢は、界川の源流で伏見稲荷の
石段の山裾へと流れは繋がっているのだ。
その界川の流れは、今展示の最初の作品琴似川暗渠
の作品採集地で合流し琴似川水系となる。
その琴似川はさらに海へと流れ伏古川と合流し茨戸
で石狩川河口へと繋がってゆく。
都市化によって喪われた河川の水脈が、路上の亀裂・
凹みの再生によって沈黙の言葉を紡ぎ出している。
その事に刺激され、見た人もまた多くの言葉を発する。
色んな発想や意見が発せられて、作家はそこに新たな
発見があり、刺激を受けている。
第一回本郷新賞を受賞して来年札幌彫刻美術館で個展
を開く流れの中、これらの多くの人の示唆・意見は様々な
展示プランの刺激ともなっているようだ。
ここでの個展も残りあと二日。
一日一日が濃く充実してさらなる展開へと繋がっている
気がする。
*谷口顕一郎展ー7月27日(日)まで。am11時ーpm7時
*斉藤周展「日々の行状」-8月1日(金)-10日(日)
*小谷俊太郎写真展ー88月26日ー9月7日予定。
*及川恒平ライブー8月16日夕刻
+中嶋幸治展ー9月23日ー10月5日
+秋元さなえ展ー10月28日ー11月9日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503