ほぼ展示が完了し、ふっと友人たちが集ってきた。
今展示の主役琴似川流域の凹み発見に同行した山田航さん
、その凹み採取後プラステイックで成型した作品原型を
もう一度現場の窪みに嵌め込み撮影するのに立ち会った
中嶋幸治さんが来て、自然とお酒となる。
湿度の高い暑い日でビールが美味い。
凹みの彫刻を現場に嵌め込んだ写真の前に、その形体を
蝶番で折り畳み変形したヴァリエーシヨンの立体が4点
床に置かれている。
吹き抜けの2階へと立ち上るような一点を囲み、ぎゅっと
凝縮したような作品や舟のように横へと伸びる作品が囲炉
裏の中のように集っている。
みんなはその周りに思い思いの姿で寝転がり、駄弁って
いた。
2階吹き抜けの上には、石狩河口茨戸で採取された岡崎
文吉のコンクリートマットレスから採られた格子状の稲妻
のような凹みが吊られている。
後は伏見稲荷の石段の作品が完成すれば、今回の琴似川水
系を主題とする展示プランは完成という事になる。
ほぼ先が見えほっとしたのか、ケンとアヤさんは酔いが
深く眠り出す。
他のふたりも床に転がり、全員が作品と添い寝のような
無言の時が流れた。
もう帰りたくないなあ、と呟いていた中嶋君が9月中旬
からの5年ぶりの個展をすると宣言した。
谷口さんの今回の展示に深くインスパイヤーされたもの
と思う。
今回の展示作品の立ち上がりから深く関わったふたりの
友人たちに添い寝されて、作品たちもきっと喜んでいたか
と思う。
幸せな初日前夜の集まりだった。
:谷口顕一郎展ー7月19日(土)-27日(日)am11時
-pm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503