テンポラリー通信

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2014年 07月 08日

呼応する時ー水系・文月(4)

優れたキャリアウーマンであるYさんの希望で先日
1999年放映の岡崎文吉の一生をドキュメントした
札幌TV40周年記念番組の録画を見せた。
当時のコマーシヤルもそのまま録画されている。
それらが古過ぎもせず、妙に懐かしい映像なのだ。
Yさんが声を上げて喜んだので、早送りせずそのまま
上映して番組を見る。
石狩川河口、中国、そしてアメリカと岡崎文吉の足跡
を辿り番組が進んでとうとうアメリカのニューオルリンズ
へカメラが入った時、レポーターの背後の撮影スタッフ
がちらっと映っていた。
その人を見てYさんがあっと声を出して言う。
S君だ、同期のS君だ!
番組最後のテロップでも確認したが、この番組を制作した
ディレクターがYさんの大学の同期生だったのである。
番組の感動と思いもかけない同期生との遭遇にすっかり
興奮したYさんは思わず手をたたいて喜んでいた。
その時人の気配がして谷口顕一郎・彩子さんが来る。
伏見稲荷の石段の凹みのトレースを終えて、顔を出したのだ。
早速採りたての凹みを広げて壁に張り点検する。
4m程の強烈な傷痕である。
これを素材にして作品が創られるわけだが、それにしても
その登場のタイミングが岡崎文吉の映像と響きあうように
現れたのが不思議だった。
山の斜面を護岸するかのように、その自然の傾斜に沿って
組み上げられた石段。
川の蛇行に沿って敷き詰められる岡崎文吉の護岸工法。
この河口と源流域のふたつの近似する現場が一瞬重なって
この時呼応したかに思えたのだ。
先に石狩河口に遺された岡崎文吉のコンクリートマットレス
をトレースし、今回さらに谷口さんが伏見稲荷の石段をトレ
ースし、それを採取し見せに来た時Yさんへの上映会があっ
たからだ。
偶然といえばそれまでである。
しかしそれは偶然というより海と山を繋ぐふたつの回路のよう
に必然的な界(さかい)という世界を示唆して遭遇した時間の
ように思えるのである。

今日Yさんからのメールが届いていた。

 心震える至福の時間をありがとうございました。

*谷口顕一郎展ー7月19日(土)-27日(日)am11時ー
 pm7時;月曜定休。
*斉藤周展「日々の形状」-8月1日(金)ー10日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2014-07-08 12:44 | Comments(0)


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