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テンポラリー通信

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2014年 04月 30日

花咲こうとする時ー光陰・卯月(20)

桜の薄紅色、レンギョの勢いある黄色が点滅するように
風景を彩ってきた。
花が咲こうとする季節がやっと感じられる。
会場にも昨日小さな草花がふたりの絵から離れた周縁に
添うように点滅している。
Mさんの控え目な、気配りに満ちた早春の活花だ。
今週末にもう一度活け替えがあるという。

札幌のある時代を象徴するような八木保次・伸子の伊達と
品位。
私の知る限りそれは僅か1km程の生家の環境の相違が
生んだと思える。
同じ都心でありながら保次さんは花街に近く、伸子さんは
商店街の立ち並ぶ街の医院で生まれ育っている。
その両方の環境が保つモダニズムが、伊達と品位なのだ。
それが色彩の内に強く映し出されている。
札幌という街が生んだ稀有なふたつのモダニズム。
上品な品位と野生味ある伊達。
それが僅か1km程の町の中心に凝縮してふたりの個性を
形成したのだ。
明治以降百年に満たない時間の内に移住者が結晶させたこの
ふたつの魂の輝きは、日本の近代におけるある純粋ななにか
であると今あらためて思う。
自然から得た感動やイメージを叩きつけるように抽象化する
保次、自然から得た感動を限られたキャンバスに再構成する
具象の伸子。
このふたりの激しい表現活動は、札幌という新しい都市の自
然との闘いそのもののふたつの純粋な相克・具現化だったよ
うな気がしている。

*八木保次・伸子追悼展ー5月11日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-04-30 15:04 | Comments(0)


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