桜の薄紅色、レンギョの勢いある黄色が点滅するように
風景を彩ってきた。
花が咲こうとする季節がやっと感じられる。
会場にも昨日小さな草花がふたりの絵から離れた周縁に
添うように点滅している。
Mさんの控え目な、気配りに満ちた早春の活花だ。
今週末にもう一度活け替えがあるという。
札幌のある時代を象徴するような八木保次・伸子の伊達と
品位。
私の知る限りそれは僅か1km程の生家の環境の相違が
生んだと思える。
同じ都心でありながら保次さんは花街に近く、伸子さんは
商店街の立ち並ぶ街の医院で生まれ育っている。
その両方の環境が保つモダニズムが、伊達と品位なのだ。
それが色彩の内に強く映し出されている。
札幌という街が生んだ稀有なふたつのモダニズム。
上品な品位と野生味ある伊達。
それが僅か1km程の町の中心に凝縮してふたりの個性を
形成したのだ。
明治以降百年に満たない時間の内に移住者が結晶させたこの
ふたつの魂の輝きは、日本の近代におけるある純粋ななにか
であると今あらためて思う。
自然から得た感動やイメージを叩きつけるように抽象化する
保次、自然から得た感動を限られたキャンバスに再構成する
具象の伸子。
このふたりの激しい表現活動は、札幌という新しい都市の自
然との闘いそのもののふたつの純粋な相克・具現化だったよ
うな気がしている。
*八木保次・伸子追悼展ー5月11日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503