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テンポラリー通信

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2014年 04月 25日

春一番・快晴ー光陰・卯月(16)

高気圧に覆われ暖かい風が吹く。
ふっと東京にいた初めての春を思い出していた。
雪解けの泥土の皺の間に未だ花の色彩は沈んでいる。

 牧場の若草陽炎燃えて 森には桂の新緑萌し

 雲ゆく雲雀に延齢草の 真白の花影さゆらぎて立つ

と北大寮歌に歌われた春の花に出会うのは、もう少し先の事だ。
今冬は寒気が長く、厳しい日が続いた。
昨日の報道では流氷が太平洋を漂っているという。
オホーツク海から太平洋に流氷が行くのは滅多に無い事という。
それだけ海水温度はまだ冷たいという事だ。
そういえば今年は普段見られない深海魚が網にかかつて、その
巨大な姿が話題にもなっていた。
これも水温の急激な変化の表われだったのだろう。
日本海と太平洋を挟んだふたつの隣国の話題が続いている。
ひとつは多くの修学旅行生を遭難させた韓国の海難事故であり、
もうひとつはアメリカ大統領の来日である。
日米のTPP交渉の水面下の攻防も深海魚並みの動きだが、心
痛むのは今も救出が続けられている転覆船の報道である。
過積載を大きな原因とする船の転覆で、今も未だ多くの犠牲者
が冷たい海の奥に閉じ込められている。
物流優先の大量移送構造が、人の個々の生命を如何に無視して
いるかという、現代社会共通の他人事ではない事件なのだ。
物流だけではないさまざまな分野で、この過積載状況は見て取
れる現象ではないのか。
情報においても文化芸術の現場においても、過積載の構造は
見られる。
過積載とは、メニューだけのような実を見失った現象である。
現(うつつ)であって、実(まこと)を喪失した現実である。
この現(うつつ)現象が続発した年がこの冬の出来事に多かっ
たと思う。
そしてそれらの構造的な問題は、今も氷山の一角のように謝罪
会見や転覆として顕在化せず、日々進行形の潜在的現実である
だろうと思える。

*八木保次・伸子追悼展ー5月11日(日)まで。
 am11時^pm7時:月曜定休。
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-04-25 14:04 | Comments(0)


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