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テンポラリー通信

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2014年 04月 20日

春風吹くー光陰・卯月(13)

昨日までの冷たい北風が消えて、やっと春風が来た。
光と風が透明で穏やかだ。

隣国の海難事故の報道に心痛む。
大量輸送の物流偏重がその原因にあるように感じる。
人の命を運ぶ安全よりも多くの物を運ぶ効率の重視。
船が悲鳴を上げて堪らず転倒したかに思える。
一度に多くの物を移動させる効率的で便利なもの、
それらに囲まれて私達の社会は在る。
あらゆる大量の人・物を運ぶ交通媒体。
あらゆる大量の情報を流す通信媒体。
あらゆる消費物質を並べる店舗媒体。
すべてに大量の物流がひしめいて、個々の命の価値
を基準にはしていない偏りがある。
そんな社会構造の中で起きたかのような海難事故は、
他人事ではない同じ社会構造の問題という気がする。
大量に閉じ込められた修学旅行生を想う親達の悲鳴が
ひっくり返った巨大な船の影の波間に響いている。

巨船を高層ビルに、列車に、地下鉄にその他ありとあら
ゆる大量移送の媒体に置き換えれば、同様の構造で悲劇
は想起しうる気がするのだ。
個に根ざした文化の根もまた然りである。
その地域、そこに生きる個の生命を主軸として分野の
量的拡張などに目を眩まされてはならないのだ。
物流だけが量数を優位に置いている訳ではない。
心流もまたその構造に毒されている。
心流とは、突き詰めれば文化の根幹、個の生命に根ざす
人生の問題だ。

一本の木のようでありたいと願う。
一樹は一樹を全うし、多樹たる事を考えない。
樹は森となるが、一樹はあくまで一樹である。

*八木保次・伸子追悼展ー4月22日(火)-5月11日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-04-20 14:34 | Comments(0)


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