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テンポラリー通信

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2014年 04月 03日

立ち位置ー光陰・卯月(3)

札幌市の広報誌に札幌国際芸術祭のカウントダウン記事
が連載されている。
今号は参加アーティストのメンバー紹介である。
当面7人の名前と会場が載っている。
道立近代美術館に2名、芸術の森美術館に1名
駅前地下歩行空間に4名である。
第一回のアーテイストインタビュー登場は近代美術館
で炭鉱遺構のフロッタージュ作品を展示する岡部昌生
氏だ。
なんだかんだといってもこのお方はちゃんと一番良い位置
にいつのまにか立つている。
私などとは雲泥の差である。

立ち位置といえば、今月16日キタラ予定の現代のベートベ
ン氏の交響曲ヒロシマの演奏会は中止になったようだ。
作曲家の顔が違っても、作品そのものはプロが練習し練り
上げて演奏の段取りは出来ていた筈だから勿体無い話である。
作品が在ってそれを演奏するのは当然の事だ。
仮に作曲家の顔を知らなくとも、作品は存在しそれを一度は
認めたからこそ演奏会が企画されたのだろう。
作品そのものの価値とそれを演出する立ち位置は必ずしも同じ
ではない。
あのバッハだって立ち位置は息子の小バッハの方がずつと有名
だったのである。
大バッハとして認められるのはずっと後年になってからである。
まして現代人の我々がバッハの顔を見て演奏する訳でも聞く訳
でもない。
あくまで作品を聞いているのである。

札幌国際芸術祭の最初の会見場所もこの音楽の殿堂で行われて
いる。
立ち位置の演出がその他の場所の選定にも現れて、形が先行し容
(かたち)は見えてこない気がする。
形(かたち)は外側からで、容(かたち)は内側から生まれるからだ。
札幌という場を形と容の両方の<かたち>で創造出来得るかは、
立ち位置だけでは決まらない。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-04-03 14:27 | Comments(0)


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