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テンポラリー通信

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2014年 03月 19日

斑模様ー拠点・弥生(10)

ザックザックと雪の緩んだ路面を歩くと、
日陰は凍って固く滑る。
明暗も冷暖も斑な冬の末の道。
気化熱が路面の温度を下げるのか、吹く風は冷たい。
白い路面は黒く汚れて、春というより冬の末の斑(まだら)
な皮膚のようである。

先日東京・六本木で札幌国際芸術祭の参加者が発表された
という。
その報道を取り上げたのが地元の北海道新聞で、朝日や
毎日といった全国紙は沈黙と聞く。
何故札幌の国際展を最初に東京で発表したのか不明だが、
東京という中央を見てアピールしたかったのだろうと感じる。
これも中央・地方の斑(まだら)模様だ。
国際展開催の3ヵ月前にやっと作家メンバーが公表されて、
先に展示主題のメニューだけは半年前に公表されている。
作家とテーマは不可分のものだから、少なくとも同時進行で
進めなければならない筈だ。
主題の「都市と自然」に合わせて、都市の近代の面は近代美術
館を使って炭鉱夕張を主題とし、自然の部分は泉を主題に地下
歩行空間を会場にするような既成の箱モノを主体に展示が予定
されている。
他に山中に近い芸術の森美術館や赤レンガの道庁庁舎、資料館
といった公共的な会場もそれぞれのテーマに合わせて使用され
るようだ。
地下水脈を主題とする時、大規模地下通路を会場とするとか、
都市の近代を主題とする時都心にある道立近代美術館を会場に
するとか、その他にもテーマと会場の安直な組み合わせがまるで
産地とメニューの乖離のようで寒々と感じるのだ。
時間も押し迫ってやっと参加メンバーも公になり、これから
多くの人たちがこのイヴェントに添って走り出す事だろう。
なにかアートという名のオリンピックみたいな同じ方向性を見
させられるような嫌な気分である。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503 
 

by kakiten | 2014-03-19 14:09 | Comments(0)


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