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テンポラリー通信

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2014年 01月 31日

赤と白の透明な冬ー頬杖・睦月(13)

昨日はプラス8度、今日は零下と気温差が10度以上ある。
すっかり調子が狂う。
でもまだ1月である。
プラスの方がおかしいのだ。
そして明日から2月。
一年で一番短く寒い月だ。

流氷の海へ帰った佐々木恒雄さん夫妻。
「And Yet meet」というふたりの愛を物語る
ような美しく激しく爽やかな作品を見せてくれた。
この作品は、帰郷し5年を経て獲得したオホーツクへの愛
そのものでもあったのだろう。
この寒気の中で今懐かしくも思い出すのである。
あの対座するふたりの間に飛んでいた赤い描線は多くの友人
をも呼び寄せ、今までの個展で一番の多くの人を招き寄せた。
遠い冥界の友人さえも・・だ。
そんな気がする。

次回展示は洞爺のガラス作家高臣大介の個展である。
少し間が空くが2月中旬より「ひびきあう」を主題に展示される。
昨年の個展で発表された百一個のガラスを束ねた「あふれでる」
を近代美術館に展示した後再びここで「ひびきあう」として新たな
展開を試みるようだ。
百一個のガラスが共鳴して、その音が奏でる澄んだ響きと透明な
ガラスの光はさらなる白い冬の光の内に冴え渡る事だろう。
流氷のオホーツクから届いた真っ赤な描線の名作。
そして凍てつく冬の光の精のような硝子の透明な光と音の作品。
北の冬に対照的なふたつの燃えるものがこの1月2月に結晶する。
そうだ、このふたつの作品はともに<ひびきあう>という点で同じ
構造を保つ作品である。
赤い透明な情念と白い透き通ったガラスの音・情念だ。
透明な炎のように燃える冬の命の純粋な結晶である。

いつの日かふたりの作品の出会いを楽しみにしている自分がいる。

*高臣大介ガラス展「ひびきあう」-2月18日(火)-23日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2014-01-31 13:11 | Comments(0)


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