低気圧の一日が過ぎ、今朝は着物の柄のような路を走る。
黒い路面に枯葉の朽ちた色彩が鮮やかだ。
もう空よりも地に色がある。
定期検診の為H病院に行く。
血圧は正常だが腎臓は良くない。
通院後画廊に着くと電話が鳴る。
東京のRさんからで、玉のような声が響く。
入院と聞いて心配していたのだが、無事手術を終え元気
という。
声に張りがあり安心する。
逆にこちらの方を気遣ってくれて恐縮する。
大病を克服して甦った女神のような声だった。
このところ低空飛行のような気分が続いていたが、この
電話の声に随分励まされる。
春楡の精のような女性だ。
事実緑の運河エルムゾーンで生まれ育った女性である。
エルムはアイヌの神話で女性であり、創造の母でもある。
Rさんはその生まれ変わりかもしれない。
大きな病を克服した人に励まされて、こちらも元気を貰う。
次回展示の吉増展に向けて映像作家の鈴木余位さんより
来札予定の打診がある。
吉増さんの440葉の草稿を石田尚志さんとともにすべて
撮影しているので、そこからいかなる映像の小宇宙を創って
くるか楽しみである。
遠くから声が届いて新たな気力が沸く。
*吉田切羽写真展「on the road」-12月1日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
*吉増剛造展「ノート君~神窓へ」-12月10日ー1月5日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503