大体プロ野球の日本シリーズが終わる頃、秋は終わり
冬の季節になる。
そんな身体の記憶がある。
昨夜の東京と東北の対決は第7戦までもつれ込み、今日
で決着。
なにかこのところの時代状況を象徴するような戦いである。
東北の人たちは昨夜の敗戦を暗い沈黙で見ていたと、
現場のアナウンサーが報告していたのが印象に残る。
たかが野球ゲームの事とはいえ、その奥底には東京と
対決する東北の深層心理があるような気がする。
東京電力の電力需給基地としてのフクシマやその他の
原発関連基地を擁する東北人の思いである。
大都市圏帝国主義の物資・エネルギー植民地としてある
現状への、密やかな反骨心が、この対戦の熱狂の底にあ
るような気がするからだ。
東京読売巨人軍が勝つにせよ、東北楽天イーグルスが勝
つにせよ、これ自体は野球のゲームであり一時的なカタ
ルシスにしかならないものだ。
ただゲームである分だけより純粋に、大都市東京圏との
直接対決を仮想敵として闘う気持ちを味わう事ができる
のだ。
昨夜の敗戦の後球場内外に詰め掛けた東北の人たちの、
なんともいえない一様の無言の表情というレポートは、
いつものゲームの負けとは一味違う重さをたたえていた
ように思う。
*吉田切羽写真展「on the road」-11月19日(火)
-12月1日(日)
*吉増剛造展「ノート君~神窓へ」-12月10日ー1月5日
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