曇天、風穏やかな日。
暗い空気に紅葉が映える。
日々の具体的な金銭の支払いに心煩わしている身には、
エルムゾーン伊藤邸敷地に飛び交うブラックホールの
ような巨額な経済の話に、大きな乖離を感じる。
多分それは等身大の生活者のものではなく、非等身大の
増幅された物質的幻想観念領域に属するものである。
かってそういう現場に自分自身もいたことがあるから、
その時代の事をふっと思い返していたりもしていたのだ。
万円札が十円か百円のように軽く飛び交う時空もある。
今そうした状況からは遠く、水道代電気代電話代石油代
食費を以下に工面するか、という誠にまともな生活の内に
いる。
この時の金銭とは、日々の生活そのもののデイテールで
あり、幻想でも観念でもなく現実の手触りそのものである。
切れれば痛みを伴い、身にも及ぶ小さな刃物のようでもある。
この普通の生活感覚で使えば恐らく何百年も使えるであろう
巨額な金銭とは、幻視の世界の増幅された物質概念として
まるでブラックホールのように人を呑み込んで狂わすものだ。
それらを自在に操るかの如き人たちを、人は事業家とか政治
家とか呼ぶのかもしれない。
人間とは幻想に生きる動物である。
金銭という経済行為もまた物質衣装を纏った幻想概念なのだ。
それはそれで独自に増幅し、現実化する。
その対極の幻想概念が芸術文化のそれであるのだろう。
この両極の渦が緑の運河エルムゾーンに渦巻いている。
この両極の対峙こそが、極めて人間的な本質に関わる磁場と
して、再生のエネルギーに転換していかなければならない。
保護され特化された囲繞地で、芸術文化が生まれるものでは
決してない。
巨大化する物質的幻想概念ときっちり対峙し得る理念的幻想
観念の構築こそが、磁場渦中の本質である。
少し金銭の毒気に当てられ、向きになったのかな・・・。
明日のあれ、どう支払おうかしら。
ほっ・・・。
*吉田切羽写真展「on the road」-11月19日(火)
-12月1日(日)
*吉増剛造展「ノート君~神窓へ」-12月10日ー1月5日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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