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テンポラリー通信

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2013年 10月 26日

響き・罫ー楡の翳・神無月(23)

朝一番と記されたfaxが届いていた。
昨日のこのブログへの吉増さんからの応答である。
次回個展のタイトル第二案を送ったという。
併せて川戸氏参加への伝言が記されていた。

 どうぞ、川戸氏に、”剛爺メ喜んでるぜ”とご伝声下さいませ。
 ❍どうでしょう、オープン日に山田航さんの「歌」とのデュオ
 のシーンも・・・とご提案下さいませんか。

撃てば響くようにとは、この事である。
川戸さんも嬉しいだろう。
しかし”剛爺”とは、「千と千尋」の釜爺のようで面白い。
私などはさしずめ、紐爺(ひもじい~)だろうなあ。

午後早くも吉増さんから速達が届く。
展覧会タイトル第二案である。

 ノート君~神窓へ

<神窓>が出て来た~!
この字句はあの名作「石狩シーツ」冒頭の一語である。

 石狩シーツ、
 「神窓」に、頬杖、・・・
 白いインクの一角獣、
 「濡れた山のヴィジョン」を、
 ”不図”-想ひ浮かべて、
 鼻を上げた

不思議な言うに言われぬ感情が湧き上がってきた。
1994年石狩河口に滞在して出来た名作の一行が、今また
こうして木魂する様に甦る。
現在進行中の438葉の作品草稿に加わって、20年余の
伏流水の流れがメム(泉)のように顔を出したからだ。
この一行一語の流れに、吉増さんの見えない心の罫線が伸びて
言葉の囲繞地を創っている。
これは、心の深い罫線の創造と思える。

年末の吉増剛造展への助走が、速度を増してきたのだ。
作品が作家を蘇らせるのは、ひとり佐佐木方斎だけではない。
「神窓」の復活もまた、ひとつの再生のようである。

*佐佐木方斎「自由群新作展」-10月27日(日)まで。
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-10-26 16:25 | Comments(0)


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