昨日は玄関の少し高い床に腰を下ろして、陽だまりの中
方斎さんと四方山話をした。
縁側に腰を下ろしているようだった。
晩秋男がふたり腰を下ろして座っている。
外から見た人は、どう思っただろう。
ぽかぽかと陽だまりの中、ぼそりぼそりと色んな話をした。
夕刻若い美術家のY君が来る。
彼は佐佐木方斎の版の「自由群」にかって好感した人である。
今回の油彩の新作を是非見て欲しかった人のひとりだ。
年齢の違う新旧の作家が、作品を通して交感する様子はとても
気持ちの良いものである。
そこに実年齢の差はない。
Y君が帰りまもなく美術評論の加藤玖仁子さんが来る。
長く佐佐木方斎の仕事を見ている人で、一瞬方斎さんも緊張して
彼女を迎える。
話は昔の事から最近の事まであちこちに飛んだが、私が印象に
残った言葉は、”佐佐木さんは、本当は純朴な人ね”という言葉
だった。
今回の作品に流れる瑞々しい本質を言い得ていると感じた。
合槌を求められて咄嗟に純朴を純粋と言い換えたが、今は純朴と
いう言葉の方が当たっているような気がする。
加藤さんが帰った後、いやあ~緊張したなあと呟いた方斎は、正に
純朴だったからである。
作品が保つ描線の一途さもまた、この純朴な本質から生まれた線
なのかも知れない。
新旧の新たな出会いが今回の作品を通して繋がり、幸せそうな表情
の方斎さんは、この夜もまたひとり居酒屋ゆかりへと向かう。
私はもうこれ以上一緒に夜もお酒まで付き合う気力はなかった。
これでも結構気を使って疲れているのだ。
*佐佐木方斎「自由群新作展」ー10月27日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503