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テンポラリー通信

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2013年 10月 17日

台風去ってー楡の翳・神無月(15)

寒く荒れた一日。
訪れる人も少なく、美術家のB氏のみが朝から夕刻まで
方斎さんと話し合っていた。
古い友人らしく今回の展示に心打たれて付き合ったのだろう。
これも友情というものである。
ビールを飲みながらずっと喋り続けている活舌な方斎だった。

今朝画廊近くで今日も朝一番に出てきた方斎さんと出会う。
画廊のシャッターを開ける間、ずっと会場を見ている。
今朝は台風も去り晴れて日が射している。
その光に浮かぶ自分の作品を見ているのであった。
青の色彩が違うという。
暗い曇天の日が続いて、ライトの光で見ていた作品が自然光
で新鮮に見えたに違いない。
特に青系の色彩がそうなのだ。
じっと立ったまま見つめる鋭い目の光は、紛れも無く作家の
眼差しである。
復活せり、佐佐木方斎・・・。
この時もそんな感じを抱いたのだ。

僅かここ2,30年の歴史さえまともに位置づける事さえでき
ないで、なにが現代美術と言い得るのか。
1980年代の前世代に繋がる仕事を現在に正統に位置づける
線上に、佐佐木方斎の存在と復活を私は強く感じているのだ。
勿論それがすべてとは思わない。
しかし無視できぬ大きな時代を動かした存在であった事に疑問
の余地は無い。
そして何よりも今こうして展示されている作品の保つ瑞々しさ、
その溢れ出る色彩の豊かさに時を超えた作家の魂を感じるので
ある。

時に人は過剰になる事がある。
それは勇み足であり、思い込みなのかもしれない。
それはそれで良いのだ、と私は今思っている。
何故なら今ある作品がそうした思惑なぞどうでもよく、ただ
純粋に美しく存在しているからである。
今日の久しぶりの秋の美しい日差しに、作品の色彩たちが如何
なる新たな表情を見せてくれるか、その事だけでもう理屈はいらない。

*佐佐木方斎展「自由群新作展」-10月27日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-10-17 12:08 | Comments(0)


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