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テンポラリー通信

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2013年 09月 17日

雨のエルムー逍遥・長月(14)

休廊日の昨日、雨降る中エルムゾーンを歩く。
中嶋幸治さんを案内する。
彼は、エルムゾーンの行程図を作りたいと、この日の為に
仕事を休んだのだ。
従って多少の雨、多少の事で止める訳にはいかない。
傘を差して大通りから歩き出す。
濡れて緑が濃い。
路面も黒く沈んで光が吸われている。
光の反射がない分路面が土化していて、風景が新鮮に見える。
夏の雨の中を歩いたのは初めてで、風景の表情が今までと違う。
良い道程は良い作品と同じで、何度もまた別の発見がある。
いつも途中で休憩する峠の茶屋のような、大野池傍のカフエは
この日祭日で休業だった。
休まず北18条の第二農場モデルバーンまで一気に歩く。
その内部もゆっくりと見て、保存されているエルムの鐘を鳴らす。
ここは初めて入った中嶋さんがひどく驚き喜んでいる様子だ。
そこを出て北大構内に別れを告げ、空腹になったので地下鉄駅
界隈をうろつくも、どこも目当ての店は休店だ。
結局一軒見つけてやっと昼食にありつく。
そこでこの日の歩行の総括を四方山話的にして、別れた。
休みの日という事もあり、身体が休日モードになっているのか、
足が重く体が重かった。
それでも通しでコースを歩いて、中嶋さんが充分に満足していた
ようなのが嬉しかった。
彼も部分的にはほとんど知っている地域だろうが、こうしてひと
つのコンセプトのもとで通して歩くと見え方が違うのである。
伊藤邸の位置が非常に大事なものと、理解されたと思う。

風景の有機的な連続性をトータルに感じる事は、ある種の俯瞰の
ように風景を見る事である。
部分的に詳しい事と俯瞰して物事を見る事は必ずしも同じではない。
人と人の付き合いもまた、そういう所があるような気がする。
一昨日の十勝の客人米山将冶さんの訪問もそうであるような気が
する。
部分的親しさではなく、俯瞰して遠くから見ていた人の信頼感が
基底にあったように感じるからだ。
同世代・同郷とか学校の同期・同窓とかではない、信頼である。
勿論それらもひとつの契機にはなるが、それだけで人は繋がるもの
ではない。
人との繋がりにも、俯瞰する視座のようなものが存すると思える。
同時代という発想は、きっとそこら辺にある。
エルムゾーンの風景もまた、そうした位相に在るのだろう。


 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-09-17 14:34 | Comments(0)


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