昼頃十勝から米山将治さんが来る。
昨夜の江原光太氏追悼の夕に来札したという。
それから懐かしい人の話やら、十勝の文化状況やら特別な
秘話やらと話は長引き、夕方までずっと話が続いた。
神田日勝の室内風景のモデルが米山さんだとは、初めて知っ
た事である。
確かに眼鏡を外した顔は、神田本人よりも米山さんの顔その
ものだった。
長い人生経験と十勝での文化活動に深く根を下ろした長老の
話は、滋味深くラデイカルである。
こんなに長く会って話したのは初めてで、しかもわざわざここ
まで杖を突きながら訪ねてくれるとは・・・感謝である。
とりあえず最近の自分の行動を知ってもらう意味で、山田航
さんの書いた「文学界」9月号所収の一文を見せる。
読み終えてひとつ息を吐き出し、実に良く見ていますね、これ
を読めばみんなこの道を歩きたくなるでしょうと言った。
それから文月悠光さんの事も知っていて、実に賢い人だと褒めた。
長老なのに、心は柔軟で昔の事も今の事も実によく知り見ている。
古くは鷲頭繁雄から江原光太、笠井清とジャンルも詩人から美術家
に至る幅広い人脈がある。
十勝に生き、十勝から世界を見ている。
神田日勝との親交は深くこの十勝に根を張って語られるので、最近
の浮ついたグローバル世界とはひと味もふた味も違うのである。
本人もついつい話し込み長居したと気づいたのだろう、帰りの時間
を気にしながら、また改めて来ることを約束して帰って行った。
色んなこれまでの資料も頂き時が経ち昼食も忘れていた。
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