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テンポラリー通信

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2013年 09月 08日

エルムゾーンー逍遥・長月(7)

文芸誌文学界の今月出た9月号に山田航さんが、「エルムゾーンを
歩く」というエッセイを書いている。
このゾーンへの熱い思いが滲み出る様な文章である。

  地域の現状をしっかりと見据え、「ここは一体どういう場所なのか」
  を考え抜かないと、地方で創作をやる意味なんてない。
  エルムゾーンはそれ自体が、一つの芸術作品、文化遺産だ。
  そして、多くの芸術家たちにインスピレーシヨンを与えてきた。

大通り公園のイサム・ノグチ作ブラック・スライド・マントラから始まり
舐めるようにその全行程が綴られている。
最後の遺跡公園で

  まるで「風の谷のナウシカ」の腐海のような異界的空気が満ちており
  ぞくっとさせられる。
  古代の息遣いが、そこには確かに生きている。

と記述しているのが、印象的である。
そうか、ナウシカの腐海か・・・と何か納得していたのだ。
そして間もなく3ヵ月の調査結果を経て結論の出る伊藤邸の高層ビル化か
伊藤緑地として保存されるかのこれまでの運動についても書き込まれている。
問題提起とこのゾーンの紹介をした関係上、私の事が書かれているのは気恥
ずかしい気もする。
普段気づかないが、誠にによく観察されているものである。

  ヘビースモーカーで、ハットを愛用するダンデイ。
  初対面の相手には少しぶっきらぼうだが、気に入れば談話室へ迎え入れ
  て美味しい珈琲を淹れてくれる。・・・・
  自分が認めた美術家にしかギヤラリーを使わせないのであまりお金はな
  さそうだが、いつだってライオンみたいに堂々たる風格だ。

いやはや・・・どうにもあまりお付き合いしたくないタイプの感じだ。
随分と我侭で自己中の人物に思える。
しかし美味しい珈琲とあまりお金がないという記述は正確である。

まあ自分の事などはどうでも良いが、全国誌で緑の運河エルムゾーンの事を
ここまで熱く記述してくれた事実は、とても嬉しい事である。
これを読んだ編集の人が早速現地を訪れるという話がある。
札幌の人よりも外の人の方がすっと理解し共鳴してくれるのは、小樽運河の
埋立て反対時と変わらないものがある。
しかし本質はそこに住む人間の問題であり、その現場のリアリテイを喪失して
問題は成り立たないのだ。
駅前ゾーンの地上・地下歩行空間の人工的な街路と対極に在るもうひとつの
有機的な自然と近代の夢の詰まった回路を同時に見詰めてこそ、本来の「都市
と自然」という主題も活きてくる。
対峙する磁場をその本質に有していなければ、真の文化の活力は生まれない
だろう。

*常設展「記憶と現在」-9月15日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 

by kakiten | 2013-09-08 13:24 | Comments(0)


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