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テンポラリー通信

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2013年 09月 04日

熊談義ー逍遥・長月(3)

木彫りの熊を作者・土地・年代と系統的に蒐集し資料化している
山里氏が仮製本した資料を見る為に、文化財の仕事をし森を愛す
るK・H氏、野の花が好きで湿原を愛するK・N氏に常連の若い友人
Y君、それと熊の木彫りの蒐集家のW嬢が集まった。
仮製本された熊図鑑は相当な労作で、2年半かけて纏め、それで
もまだ8割の仕上がりという。
先ずはK・N氏がじっくりと本を見て感想を述べる。
さらに少し遅れて来たW嬢が、4,5点持参した自分の熊をみんな
に見せる。
これでまた一気に場が盛り上がって、話は止め処も無く熊の木彫り
への愛情に満ちた話題となる。
W嬢の熊への愛着も半端ではなく、何よりも主役の山里氏が底抜け
に嬉しそうで、この同好の士の出現に喜んでいた。
結局山里氏の蒐集した熊の実物をみんなで一度見に伺う日を決め、
お開きとなった。
W嬢最後に曰く、こんなに集中して話がぶれずにみんなと熊の話が
出来た事はない。素晴らしい・・と。
話は途中から飛んで、W嬢は熊カフエを開いたら良い、という話まで
真面目半分に出たのだ。
ドアのノブにも熊、店内にも日替わりで熊の展示。
歌も唄い、打楽器演奏もするW嬢は、次のライブで新曲に熊の歌を
唄うとまで言い出した。

森の生態系の頂点に立つ熊。
海から川を経て森へと遡上する鮭。
このふたつの聖なる生物を心から愛する事は、森と海と川を結ぶ大地
を愛する事でもある。
単なる土産物としての熊ではなく、先人や土地が生み出した優れた
民芸としてこの地固有の創作物として再評価が進んでいる。
そのたたき台として、山里氏の資料作製がある。
今真に熊を愛する人たちが集まって、その木彫りの技に鋭い鑑賞眼を
披瀝する。
八雲の徳川の殿様がスイスから持ち帰って百年。
ここにはここ固有の熊の文化が根付いている。
和人もアイヌ人も問わず、共通の素材として生活を支える為に熊が彫ら
れてきた。
今はその伝統もパターン化し、機械彫りとなって廃れようとしているけ
れど、初期中期の手彫りの独創性は、目を瞠るものがある。
彫刻としての独創性である。
そんな身近にあって廃れようとする地のものをもっと大切に見詰めなけ
れば、真に文化はカルチベートされたものとはならない。

楽しく、有意義で熱い、良い集まりだったなあ。

でも帰りは土砂降りで、雨に濡れて自転車で帰る。
自棄になって歌を歌って帰る。

 ♪ クマっちゃうなあ~、
   雨に降られって~
   どうしょうぉ~
   まだまだ濡れるかしら~♪

*収蔵品展「記憶と現在」-9月15日(日)まで。am11時ーpm7時
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
 

by kakiten | 2013-09-04 12:50 | Comments(0)


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