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テンポラリー通信

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2013年 08月 21日

元気びとー梢心・葉月(12)

山田航さんが弾けている。
地方区全国区の賞を総なめし、最近はNHKのライブ放送に1時間
作家高橋源一郎と対談し好評で、今度は道内のHBCラジオ9月1
日に午前9時半から「元気びと」に出演という。
さらに来月発行の「文学界」にもエッセイを書いたという。
そんほかにもいろいろと書いたり顔を出したりと多忙なようである。
ラジオの番組「元気びと」に選ばれて、本人は最も元気と縁ない人間
だが、と苦笑していたが世間はそうは見ていないのだ。
そのギャップがなんとも可笑しかった。
最近はいつもエルムゾーンを歩く時も同行してくれて、文学界の原稿
にもその事を書いたという。
孤軍奮闘の「緑の運河エルムゾーンを守る会」の運動だが、心強い
賛同者として彼が今加わってくれている。
駅前産業経済ゾーンに対峙して西南から東北にかけて伸びる川の道
そしてエルムを代表とする森のゾーンを、近代と前近代を繋ぎ現代
へと通じる文化の回路として位置づけ、そこから札幌の独自の文化
位相を母胎として正統な近代の浪漫を育てたい。
そんな思いを熱く志している。
開拓使の時代から育まれた夢の系譜は、戦後の中川つかさに至るまで
今も脈々としてこの地の底流に流れている近代の正の部分である。
瀧口修造の小樽を第二の故郷とする近代のシュールレアリズムの母胎
としてもその系譜の流れはあった筈である。
薩摩藩の夢のサムライ村橋久成に始まり、洋の東西を問わず多くの
優れた先人が夢を繋いだ土壌として、北海道の都市はある。
その面影を深く遺すゾーンとして札幌では、この緑の運河エルムゾーン
があり、その奇跡的な存在は決してタワー系の高層ビルで分断させては
ならないものである。
辛うじて深く根を張り地下水脈に触れて生きている巨樹たちの水の梢を
絶ってはならないのだ。
根は水という光に触れ地に根を張り、梢は光という水に触れ空に根を
張っている。
この天地を繋ぐ垂直な生の立ちかたこそが、グローバルな物流の横軸
に対峙する文化の尺度である。
個が個として深く生き、その志の綿毛が飛んで独自な文化という森を
創る。
同じ樹木を移植し街路樹にするのとは違う世界なのだ。
500mに特化したり、館という室内に特化したりする街路樹の並木
のような都市の美観と裏腹なあるいは保存を目的とした収蔵品庫的な
役割も否定はしないけれど、本質的な創造の土壌とはもっと荒々しい
矛盾に満ちた磁極の火花が散るものと考える。
南北の対極する磁場があってこその東西という広がりであり、この
対極・南北・天地という矛盾を垂直に孕んでこその東西の広がりな
のだ。
横軸の東西ばかりに目を向けて、人は欲の悪無限的相対化に堕す際
(キワ)にいる。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-08-21 13:13 | Comments(0)


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