京都からK氏が彼女を連れて帰って来た。
彼女はMさんですっかり綺麗になりお似合いである。
2,3年前ふたりは別々に来ていたから、一緒に来るのは
初めてだが不思議と違和感がない。
男女というのは不思議だなあ。
以前ふたりが来た時にも会っている山田航さんも駆け付けて
、食料を差し入れてくれる。
ふたりのお土産の伏見のお酒と旭川の男山を開けて奥の談話
室で久しぶりの再会を祝した。
着いた時間が午後6時を過ぎていたので、この日はエルムゾー
ン案内を諦め明後日歩く事にする。
大阪難波生まれで優れたキューレート能力をもつMさんと札幌生
まれで今は京都で働きながら絵画を続けているK氏に、あの荒々
しい緑の魔界を見せるのが楽しみである。
彼女のMさんが編集製本したK氏の作品図録を頂いた。
日常の人物を細密に描くKの画風が少し変わって、曽我蕭白の
画像の一部がその中に挿入されるという江戸ホップな作品となっ
ている。
京都に居るのに江戸か・・、と思いながら、K自身の非常に
内向きな射程距離と日常の関わりを思った。
蕭白の軽やかで自在な線像が、彼の日常に閉じがちな内向きの
視座を外界へと導く導線ともなって、ある解放の回路ともなって
いるような気がした。
しかしやはり決定的に不足しているのは、人間の社会環境ではな
く、風土としての自然環境への視座である。
札幌で生まれ育ったが、きっと多くは何も見てはいない。
今、京都で働きしっかりした片腕となる女房も得ようという時、
今回ちょうど良い良い機会である。
川と森の記憶の小道を逍遥し、もうひとつの大きな囲繞する日常
を感受して表現の根として欲しい。
それが故里から贈る、ふたりへの風景の木霊のメッセージだ。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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