2階の蔦の絡まる窓際にいつの間にか一羽の蝶と一緒に、
文月さんがいた。
知らぬ間にか来ていたのだ。
夏休みで帰省中とは知ってはいたが、ふっと蝶のように現れた。
その後奥の談話室でひさしぶりにいろんな話をした。
早速ツイターでその折の話題が呟かれている。
高校生の時に会ってから4年近く経って、もうすっかり東京に
馴染んでいる。
間もなく第二詩集も出版される予定で、その詩集のタイトルに
私は彼女の故郷・故里感覚が潜んでいると感じていた。
そのタイトルは「屋根よりも深々と」である。
表題の詩篇の内容は必ずしもそうではないが、この一行を
詩集の表題に置いた時、このタイトルは独歩して北の冬の
路を想起させるのだ。
今はすっかり東京の都会に馴染み、最近はIDアイドルの最終
予選まで勝ち残るかというしたたかで華やかな女性へと化生し
ているのだが、この詩集の表題に顕れた心象は故郷への思いで
あると私は感じていたのだ。
偶然だろうが、吹き抜けの2階の窓辺で蝶と一緒にいた事はま
るで蝶に化生してそこにいたかのようで不思議だった。
女性に蝶々は良く似合う。
きっと男は志(こころざし)という精神の綿毛を飛ばして化生し、
きっと女は愛という心の綿毛を飛ばして化生するのだろう。
そのどちらもがその飛翔するものにおいてある生き方を意志する。
その飛ぶもの<志・愛>を時に風といい、それが地と交わり根付く
時、それを風土と人は呼ぶのではないだろうか。
<屋根よりも深々と>とは、その風土の謂いだと私は思う。
元村街道(茨戸街道)古地図と河田雅文スペースの大草稿の展示
写真を過日吉増さんに送付したお礼状が送られてきた。
ホー、と河田ギヤラリーの木の香、床の言葉、なんという愛の
こもった佳い展示のクーキが伝わって参ります。
さらに大草稿の河田系山田系私系の源流域への試みについても、
賛同が記されていた。
この事に先立って実は私は文月さんにも打診をしていたのだ。
文月系の打診である。
勿論否というわけも無く参加してくれるといった。
この4っの水系を札幌の風土として、あの400葉を優に越える
大草稿の銀河を幾つかの小宇宙に部分構成していきたい。
それに石田尚志星雲、鈴木余位流星雲の映像が取り巻く。
年末の展示に向けてそんなイメージが広まってくる。
<屋根よりも深々と・・・>
雪と氷柱の白い地に、深々とあの大隕石君が根を下ろす事だろう。
「’古石狩川から書きはじめて」
3年目の冬である。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503