重く沈滞する底流の上を空から飛礫が撃つ。
海超え空超え声が届く。
N氏の北への想いー電話。
S君の北への想いーメール。
Y氏の流星のようなfax通信。
そんな時間が交錯した。
それぞれが新たな地平を切り裂いて、空から
光源を届けてくる。
受け止めながらも、舞う事のないこの重さは
何なのか。
それを払拭しようと、横浜のO氏に久しぶりに
電話する。
長年温めているG氏の遺作公演の話をする。
父上の命日を迎え世界中を回っているO氏
は、どこか父上の追悼に疲れていたようだ。
G氏がO氏の為に遺した遺作公演の話は、O
氏の心にO氏自身の遣り残している仕事を
蘇らせて、最後には元気が出たと電話の向こうで
笑っていた。
いずれ下見に札幌を訪ねると言う。
そうね、お父さんもこの場所から石狩河口へと
下見して旅したのだ。
そんな事があって夕方にMさんが来てお土産に
お菓子をくれる。
その菓子名は「この道」。
O氏のG氏遺作初演に使われた曲と同名のお菓子だ。
「緑の運河エルムゾーン」を横切る今はヤマダ電気
周辺が背景となったかっての札幌の歌である。
そのタイミングの不思議さに心撃たれた。
これも飛礫だなあ。
*記憶と現在展ー6月12日(水)-30日(日)
am11時ーpm7時;月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503