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テンポラリー通信

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2005年 12月 24日

夢の痕

H・Kさんの案内で今は休郎しているTギヤラリーの佐々木芳斉さんを訪ねた。
ベットに寝たままの姿で往年の少しキザで、攻撃的な面影はなかった。
私はよく彼にからかわれてこの野郎!と思った事も何度かあった。しかし「美術
ノート」を主宰し1980年代の駅裏8号倉庫を初め数々のジャンルを超えた
アートシーンを記録していった仕事、現代作家展で、韓国初め国内外の作家を
紹介し今日にいたる作家たちの交流の礎を作った事等いまからみて極めて先駆
的な尖鋭な仕事の中心にいた事もまた事実である。自宅をカフエとギヤラリーにし
活動の拠点とした優れて実践的な作家であった事もいま改めて思うのである。
そんな彼にふっと会いたくなり訪ねた訳だが、初めて訪ねたその場所が、旧
さっぽろ川沿いのパラト街道(元村街道)近くにあったのも不思議な縁を感じた。
雑誌による批評と記録それも美術に留まらず、舞踏、演劇、映像と1980年代
のアートシーンを特集し、しかも実生活において発表の場と交流の場を実践
的に立ち上げたことは、少なくとも他にあまり例を見ない。その結果が早すぎた
が故にか、本人のエキセントリックな性格のせいかは、別にして本当はもっと
もっと評価されて良い人である事は、改めて本人の書棚にあった「美術ノート」
全巻を手にとって思った事であった。H.Kさんと2人で豆乳10本を彼の為に
買出しに行ってその日は辞した。H.Kさんこと花田和治さんもまた心優しく
名利を追わない本物の作家である。彼がいなければ今日の訪問はなかった。

by kakiten | 2005-12-24 19:38 | Comments(2)
Commented by sichihuku at 2005-12-25 11:36
花田先生とお出かけいいなぁ…
中森さんのお知り合いにそんな方もいらっしゃったとはしりませんでした。
そのTギャラリーはテンポラリースペースのような場所だったのですね。
最近私も縁について考えます。
こんな私だけれど、こんな私だからこそ周囲は力になってくれるし助けてくれる、と。
具体的な恩返しというより、自分がしている事を真摯に続ける事でしょうね。
中森さんの素敵な交友をまた一つ知って、へぇ~とモニタの前でうなずく私です。
お互いがそういう関係っていいですよね。
Commented by kakiten at 2005-12-25 18:28
sichihukuさんは花田さんの教え子だったのですよね、たしか・・・。
いま個展をしている堀田さんも予備校時代花田さんの教え子だった
そうですが、それとは別に作家として花田さんを高く評価して尊敬して
おりました。ひょうひょうとして名利を求めず、佐々木さんに対しても
ひとり誰も行かなくなっても訪ねては励まし会いに行っていたようです。
私はそんな彼に導かれ、訪ねました。いい仕事は残り、語りかけてきます。個人的な諍いは別にして、時間とともに薄れ、素直に佐々木さんと
話す事ができました。帰りの道すがら、花田さん曰く”芳斉今日喜んでいたなあ~”


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