小樽美術館・同文学館で「詩人と美術のシュールレア
リズムー瀧口修造展」が始まった。
瀧口が第二の故郷と呼んだ小樽青年時代を掘り下げて
その業績を辿る展覧会である。
初日の昨日吉増剛造さんの講演がある。
残念ながら行けない私に、講演を聞き展示を見終えたK
さんが図録持参で立ち寄ってくれる。
そして講演時の様子を種々話してくれた。
同じ日旭川では小熊秀雄賞受賞式で沖縄から与那覇幹夫
氏も来道中である。
旭川や小樽が熱いなあ。
その流れが今日札幌にも余波のように流れてくる。
夕刻与那覇さんが来廊し、帰京前に吉増さんも連絡がある
予定だ。
1999年に横浜の矢立出版より出版された対談集「はるみ
ずのうみ」には、この与那覇さんと吉増さん中川潤さん等が
対談している。
今日中川さんも来る予定なので、3人がもし揃えば正に
「はるみずのうみ」札幌版となる。
ある時期北海道が近代の新しい風を孕んで、時代の新たな
風の基地ともなっていた事実は否定しようもない。
風土の風の部分でひとつの触媒として北海道の大地が在っ
た事が、今回の瀧口修造の軌跡にも潜んでいるようだ。
例えそれが放浪の生活であったにせよ、その心の彷徨は
その後豊かな土壌ともなっていったのである。
そうした風土の風の系譜を、北海道に生まれ生きている我々
自身が自覚してその真のモダニズムの土壌をカルチヴェイト
しなければならない。
風となって飛来した文化の綿毛・種子。
その綿毛が根付いて、小さな花を咲かせていた事を今、小樽
発で始まった瀧口展が教えてくれているような気がする。
*八木保次・伸子追悼展ー5月26日(日)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503