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テンポラリー通信

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2013年 05月 12日

ふたりの天才ー明暗・皐月(8)

昨日深夜前もって連絡のあったETVアーカイブス吉増剛造と
羽生善治の対談を見る。
1997年1月放映の「盤上の海 詩の宇宙」である。
これはもう昨年来続けている吉増さんの大草稿制作の予告の
ように、私には感じられた。

  言語宇宙が作り出した作品の銀河系みたいな宇宙があると
  すると、それが僕らに取りついて、僕らもそれに取りつか
  れて破滅にまで進むくらい膨張していくし、自立的な運動
  をもっている。それに巻き込まれながらもーどうしてもそ
  れと一緒に生きていかなきゃいけない。

  私の最も理想とする芸術作品というのは、どちらかというと
  未完成作品なんですよ、完了しない作品。・・・
  たとえばミケランジェロが造りかけたものとか、途中で中断
  したもの,・・・中断されたところで、常にまたさらに生成
  状態をはらみはじめるというような、そんなことを考えてい
  るのです。

将棋名人の羽生さんも凄いが、この2人の対談は盤面の桝目と原稿
用紙の桝目に限りない宇宙を見る恐ろしいまでの天才の対話である。
羽生さんが吉増さんの詩に惹かれ、吉増さんが羽生さんの盤面に集中
する言葉に触発されて詩人同士や棋士同士では有り得ない閃くような
言葉の交感が惹きだされている。
もう十数年も前の対談だが、その内容に時間の経過は無い。
むしろ今という時間の方が、その内容に近づいて来ているという感じ
がするのだ。
先日昨年春から書き起こされ始めた大草稿は現在七千行の352葉と
連絡があった。
この途方も無い作品の創作過程をどこか共にしながら、その予言のよ
うに上記の発言を聞いていたのだ。
恐るべし・・・。

*八木保次・伸子追悼展ー5月15日(水)-25日(土)
 am11時-pm7時月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



  

by kakiten | 2013-05-12 13:42 | Comments(0)


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