光が伸び始めた。
陽光が長くなり、影が淡い。
寒気を秘めた春である。
休廊日、Mギヤラリーに森本めぐみ展を見に行く。
金銀の紙吹雪が床に盛大に散らばり、サロン風の
会場が揺れる空間になっている。
enーiwa(尖ったー山):恵庭をテーマとする
作品展で、故郷の恵庭火山が主題だ。
今夏結婚して福井県に移る前のある意味で総括のような
北海道最後の個展である。
小さなものから大きなものまで有機的な広がりを保つこの
作家は、今回も散乱する紙片ひとつから6畳間ほどの大作
まで、のたうつように森本めぐみである。
凝縮と拡散が同時並行的に在って、本当の完成度はもう少し
先にあるような気がした。
さらに離れて見えるものがあるのかも知れない。
人間にも光の届く波長の季節がある。
会場を出てふらふらと山裾へと歩く。
体調がいまいちで、この日はまっすぐ家に帰る。
一夜明けて今日はvickyさんの展示日。
*vicky mendiz展「すきまーsukima」ー4月24日
(水)-27日(土)am11時ーpm7時。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503