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テンポラリー通信

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2013年 02月 21日

70kmの夕張ー燃える如月(13)

夕張の上木和正氏から昨年暮に頂いた手紙がある。
 
 70km離れた地のちいさなスペースで絶えることなく
 火が燃えている
 燃やし続けている人がいる
 何よりの励ましとなっていること 多謝感謝

70kmの距離だったのだ、札幌と夕張。
そこに札幌とは違う風土の<夕張界>がある。

昨日東京・吉増剛造さんよりfaxが届く。
1月、ここから飛び立った270葉の大草稿集、岩手・北上市から
万葉の奈良へと旅を続けているという。
現在304葉という。
愛着を篭めて吉増さんは、この草稿集を”決して着地せぬ隕石君”
と書いている。
北関東に流星が飛び、ロシアに隕石が落下しと、このところ急に
隕石のニュースが続くけれど、これと吉増さんの大草稿集隕石君
と不思議と繋がるような気さえしてくる。
今年末にこの草稿集はいったい何百葉となってここに戻ってくる
のだろうか。
界(さかい)を超えて飛翔し続けるもの。
見えない界(さかい)を感受させるもの。
the republic of Yuubari (夕張界)
the republic of Sapporo (札幌界)

界(さかい)が明らかになる事で、それぞれの場の固有性
への親愛感もまた明瞭となる。
それゆえ飛翔する感性もまた存在理由がある。
男女のようなものかも知れない。
違うから惹かれる。
違いは、界(さかい)は、差別ではなく惹き合う磁場なのだ。
その磁場を飛翔するものが、友情であり愛であり作品の
ような隕石・流星なのだ。
界(さかい)のせめぎ合いその緊張感が一方に偏する時、
世界は界(さかい)でなくなり、グローバリズムの物量の
大小の世界に閉じるだろう。
70kmの世界が消滅すれば、夕張は札幌圏に組み込ま
れてその固有の世界を消去する事となる。
その札幌圏さえ、リットル・トウキョウ化するなら、固有の
札幌界もまた消去される事となる。
違いが違いとして魅力的である為には、界(さかい)の輪郭
を喪失してはならない。
僅か70kmの界(さかい)の友情は、掛け替えのない個々
の固有性を感じさせる大切な距離なのだ。


*秋元さなえ展「121年前のよろこび」-2月21日(木)まで。
 am11時ーpm7時。
*今田朋美・久藤エリコ展「ハツゲン」-2月24日(日)-3月2日(土)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503
 

by kakiten | 2013-02-21 11:58 | Comments(0)


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