高臣大介展終る。
最近サッポロビールのTVコマーシヤルに高臣さんが出た事で、
2004年最初の展示を記録していた方が昔を思い出し、10年
前の写真をDVDに収録して届けてくれた。
中には焼失する前の洞爺gla_glaの建物や別れた彼の奥さん
の姿も映し出されている。
そしてヤンキー風のモヒカン髪にサングラスの10年前ガラスを
吹く高臣大介も映っているのだ。
さらに冬の最初のガラス展ともいえる旧花器店2階画廊の展示。
大きな窓に幾つもの吊りガラスが窓外の氷柱や白樺を背景に
煌いている。
この時夏にガラスという当時の一般常識を破り、冬にガラスを
展示するという挑戦をした最初の展示だった。
窓外の氷柱と呼応するかのように、透明な吊りガラスを何十本も
窓に吊ったのである。
真冬に正面から立ち向かって成功した最初のガラス展である。
この時以来冬の高臣大介個展はここの定番となった。
撮影者は偶然TVのコマーシヤルの彼を見て訪ねて来てくれた訳で、
正に10年ぶりにその頃の映像が甦ったのだ。
10年ひと昔。
あふれでる。
今回の個展タイトルに相応しい出来事だった。
映像を見た人たちの反応は様々だった。
昔を知る人はただただ懐かしい気持になり、初めて見た人はただ
ただ笑うのみと、様々である。
ただ不思議な事に、焼失前のgla_glaの建物を知る人物が偶然
今回新聞の展覧会評を書いた記者氏だったり、別れた奥さんの
姉妹が初めて訪ねて来ていたりと、この映像の時代と関わる人達
の訪問も多かったのである。
地中から泉が湧き出るように、人もまた時の中から湧き出て古い
映像とともに笑いさざめいたのである。
10年ひと昔。
高臣大介「あふれでる。」展は、作品も人も時も文字通り
<あふれでる>10年の一区切りの個展となって終了した。
最終日の夜の宴、
酒井博史さんの美声と大介さんの「ガンダーラ」のヂュエット
が何時までも響いて終らなかったなあ。
*秋元さなえ展「121年前のよろこび」-2月12日(火)-21日(木)
am11時ーpm7時:月曜定休。
*今田朋美・久藤エリコ展「ハツゲン」-書と切り絵
2月24日(日)-3月2日(土)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503