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テンポラリー通信

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2013年 01月 28日

燃える逆三角ーイシカル・1月(16)

古館賢治さんのライブを伝える中嶋幸治さんの声が熱い。
さらに某地下画廊での藤倉翼さんたち3人の写真展と、
烽火のように熱い反響が届く。
初のCD出版後最初の古館ライブ見聞した中嶋幸治さん
の感動は、只ならぬ。
このCDのデザインを装丁した中嶋さんの気合がその
まま持続されて、爆発している。
実際にライブを聞いてはいないが、その感動は逆流する
ように伝わってくる。

藤倉翼、メタ佐藤、北川陽稔さんたち3人の「重力と虹」
写真展は初日に見て来た。
圧巻は正面に飾られた藤倉さんの横4mに及ぶ大作写真
「parade 3」だった。
この一点だけでもう「重力と虹」というテーマは集約されて
いる。
日本ハムファイターズの優勝パレードをビルの屋上から
俯瞰して撮った超大判写真だが、紙吹雪の向こうに流れる
人の列だけで構成された画面はシュールである。
そしてビルの屋上から下を見下ろし俯瞰し撮られた作品が、
この地下画廊に在る事自体が不思議な位相に在る。
この地下画廊のあるビルは地下街建設以前の古いビルである。
従って画廊のある地下2階は元々倉庫やボイラー室用の全体
共有部分で普通は見る事のできない場所にある。
そんな地下に没している空間に、その真逆の位置から撮った
写真が嵌め込まれて在る。
その意味でこの展示の場所の位相は、写真の撮られた位置
と真逆の位相といえる。
さらに言えば、この3人構成はかってメタ佐藤さんが参加して
いた写真グループ名三角に準じれば、別の3人による逆三角
展ともいえるものだ。
その逆の軸心に在るのが、藤倉翼さんの写真一点といえる。
他のふたりの作品も優れているのだが、なんといってもこの地下
空間に一点正面壁一杯に置かれた幅4mもの大作がもつ充溢感
には敵わない。
主題のシンプルさとシュールさが、作品の信じられない大きさ
とともに説得力を保っているのだ。
地下を掘り下げ地表を迫り上げ膨張する都市構造のミクロと
マクロの複眼構造を集約してこの「Parade 3」という作品はあっ
て、それが古いビルの本来は見ることの無い沈む地下空間に
華やかな表通りの優勝パレードの紙吹雪が象嵌される事自体が、
都市の逆三角とも思えるのである。

古館賢治さんのライブへの中嶋さんの熱いエール。
地下画廊での藤倉翼さんの熱い紙吹雪。
ともに逆流する三角の烽火のようだ。
明日から始る高臣大介展も熱い展示の槌音を今響かせている。
「あふれでる。」
ここでも昨年の「野傍の泉池」から、熱い泉が海へとあふれでている。
波浪の形象をした百本の透明なガラスが時折り澄んだ音を立てている。
まるで、音の紙吹雪。
あふれでる泉の三角点。

+高臣大介ガラス展「あふれでる。」-1月29日(火)-2月3日(日)
 am11時ーpm7時。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2013-01-28 13:24 | Comments(0)


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