今朝も晴れて青い空と白い街。
雪が音を吸って静かである。
余位さんの画像から流れる石狩の風と波の音だけが響く。
朝、玄関の雪割りをしていると、電話のベルが鳴る。
一度は消えて二度目に間に合うと、faxが届いている。
吉増さんからで、今回の「ノート君」DM発送の宛先の連絡だった。
残部はもう2枚となったと書いてある。
酒井ブンタさん、今一所懸命印刷中です、しばしお待ちを・・と、
心の中で呟く。
一冊、一冊、作品のように吉増さんの手描きのノート君として
薄紙を纏い、送られたり収蔵されてこのDMは飛礫のように
会期中創られていくだろう。
ブンタ君とマサさんの共同作業でデザインされ制作された、これも
飛礫という隕石かも知れない。
流れ星となって飛ぶ推力エンジンを、吉増さんが注入している。
石狩川が空に映って銀河となったというアイヌの神話のように、この
DM自体が星のように飛んで「ノート君~」という流れとなっていく。
これも今回発生したもうひとつの展覧会といえる。
発進基地、宇宙船は、ここ「ノート君~’古石狩河口から書きはじめて」
の会場である。
faxの末尾にそっと書かれた言葉・・。
マリリアさん、絶賛されました・・・よ。
フランスから帰国した吉増さんの奥さんの言葉である。
白い宇宙船、北の冷え込んだ大地から発進して、小さな短冊のような
DM小舟が飛ぶ。
飛礫となって青い空に見えない銀河の星となって飛ぶ。
酒井さん、マサさん見事な設計だったぜ。
ご報告です。
*吉増剛造展「ノート君~’古石狩河口から書きはじめて」
:吉増剛造(詩草稿)・吉原洋一(写真)・鈴木余位(映像)
12月11日(火)-1月13日(日)am11時ーpm7時・月曜定休。
正月1,2,3日休廊。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
tel/fax011-737-5503