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テンポラリー通信

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2012年 12月 19日

流星群到来ー星雲・12月(19)

途方もないという予感の通り、流星のように人が来た。
栃木県から東京から夕張から石狩から・・。
足利美術館の篠原誠司氏、慶応大学出版の村上文さん、多摩美
の映像作家石田尚志氏、川崎の音楽家川戸郷史氏、Infant誌の
東京菊井崇史氏そして元夕張美術館長の上木氏と常連の若者S、
H、Y君に道立文学館のKさん、美術家の岡部昌生氏外が来る。
あとは道外勢と一緒に初めて来た舞踏家や脚本家の人たち。
その中でも鈴木余位さんの上司でもある多摩美大の石田尚志
氏の不意の来廊には吃驚した。
そしてそれは誰よりも鈴木余位さんにとって喜びだったと思う。
余位さんの初の映像公開展示に際し兄と思い師とも思う石田さ
んが来てくれたからである。
そして勿論旧友の吉増さん、私にとっても驚きであり大きな喜び
であった。
ただ私はいつもの事だが、自身のギヤラリーでこういう集まりが
ある時はどこか醒めて、遠巻きに冷静に見守る自分がいるので
ある。
会場全体への目配りや新たな訪問者への配慮とか、渦に入らな
い気持が働くのである。
この日もそうで、端の方で全体を見渡し気持を押さえて吉増さん
の話を聞いていた。
すると話の合間に幾度も吉増さんは私へと話を振ってくる。
これが何度も続いたがこっちから言葉が滑らかに出ることはない。
最後の方では、遅れて来た酒井さんや久し振りに来た岡部氏を
みんなに紹介しろと私に催促する。
これにも正直困ったけれど、この時ひょうきんな沖縄の踊りと
語りで場を繕ってくれたのが石田さんだった。
私自身はヒッグス粒子のように場を生む媒介として存在しその
役割を果たすと同時に消える存在である。
自らが素粒子として主役たる存在ではないと思っている。
吉増さんの引き立ててくれる気持は痛いほどよく分かっているが、
それは気持だけで充分で、多くの人の前でなにかを語るような
気持はさらさらにないのである。
場を維持し磁力を保つ事が無言の内の全力存在であって、
それ以上の余力はこの日も私にはなかったのだ。
しかしこの日は途方もない力が集結していて、誰よりも主役の吉
増さん自身のハイテンシヨンにさらなる力が加わっていたと思う。
今朝届いた帰京前ホテルから届いていたfax・・。

 ほんとうに”トホーもない’ギヤラリーたりましたですね。
 ・・・・
 あれほどのトホーもない深い夜でしたので、お疲れのことでしょうが
 お守りとギヤラリーの保護を乞い願います。
 早めにtokioへ急ぐ、GOZO拝。スゲーや。

まあそれにしても、ご機嫌よく帰京のようで良かった。
無愛想な画廊主で申し訳ない・・・。
それが心残りではあるけれども、それを超えて余りある多種多才な
人たちがこの悪天候に空路だけでも10数人集まったじゃありませんか。
吉増さん・・・。

これはもうヨシマス流星群だったぜ・・・。


*吉増剛造展「ノート君~’古石狩河口から書きはじめて」
 :吉増剛造(詩草稿)吉原洋一(写真)・鈴木余位(映像)
 12月11日(火)-1月13日(火)am11時ーpm7時:月曜定休。
 正月1,2,3日休廊。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2012-12-19 15:45 | Comments(0)


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